奄美署管内 夏シーズン事故増加傾向

奄美署によると7月以降交通事故が増加傾向にあるという=参考写真=

「万全の体調で運転を」
高齢者による事故半数以上

 夏シーズン本番を迎えイベントや旅行など外出の機会が増えるなか、7月以降の交通事故も増加傾向にあるという。奄美署によると今年度7月末現在、45件(前年度同期比5件増)の人身事故が発生しており、中でも高齢者による事故が26件と57・8%を占める。同署は「夏シーズンは交通量も増え、日中の疲労が高まると運転中の判断力に悪影響を及ぼすこともある。炎天下で作業の後は1回体を休めるなど、万全の体調での運転を心がけてほしい」と注意を呼び掛けた。

 同署管内で発生した今年度の人身事故は7月末現在、45件(同5件増)で死者2件(1件増)、負傷者50件(6件増)とやや増加。物件(物損)事故も、581件(同24件増)と増加傾向にある。

 内訳は追突事故が19件と最多で、次いで歩行者の横断中の事故が8件と二つの類型が突出。相手車両の存在を認識しながらも事故に結びつく「動静不注視」の例も多いという。

 久保和隆交通課長は「猛暑で気が緩むこともあるが、交通ルールを守り、安全運転を心がけることで事故は減らすことができる」と述べ「前方確認を怠ることなく歩行者に注視し、運転に集中することで事故防止に努めてほしい」と話した。

 また、同署によると同管内は高齢者による事故も多く、事故全体に占める高齢者の割合は県41・2%に対して57・8%と高い。これに対して久保交通課長は「原因は高齢者ということだけではなく歩行者側の飛び出しや後方不注意も多い。確認を怠ることなく、お互いが安全を意識し、相手も自分も守る努力が必要」と述べた。

 同署では高齢者運転への対策として、運転免許返納に向けた取り組みや、自身の運転を振り返るためのドライブレコーダーの貸出、家族との相談にも応じている。久保交通課長は「一番なくしたいのは死亡事故だが、警察の努力では及ばない。家庭や職場、学校でも常に交通安全の意識を高めていくことが大切」と話した。

 同署では、追突事故が多いことから、サポート機能を備えた車の検討なども薦めている。

   ◇

 同署は、同市名瀬長浜交差点信号機の点灯サイクルを21日午前11時より変更する。変更は安全を考慮したもので「タイミングが変わるので、信号をよく見て運転を」としている。