旧盆前に台風接近、物流に影響も

旧盆前に台風接近、物流に影響も

相次ぐ台風の接近で、鮮魚などの在庫に影響が出ている小売店もある

19号接近 「タイミング悪い」
小売り、漁業関係者不安視

 気象庁が発表した台風19号の進路予想によると、来週21日には、奄美地方が暴風・強風域に入る見込み。台風の接近に伴い、航路の欠航などで物流にも大きな影響が出ることが予想されるなか、週半ばの23日からは、奄美各地で旧盆を迎える。さらには、19日にも台風に発達すると予想される熱帯低気圧もできており、度重なる台風の発生、接近に、小売店など地元関係者は頭を抱えている。

 8月に入り台風が相次いで発生。15号の発生した12日から、16日までの4日の間に五つの台風が立て続けに発生し、そのうち三つが奄美の空・海の両交通に影響した。

 台風19号の接近に関して、現在のところ21日には、奄美地方が暴風・強風域に巻き込まれることが予想されている。奄美各地で23日には旧盆入りを迎えるが、関連商品にも及ぶ販売影響に、地元の小売店など関係者の顔は明るくない。奄美市名瀬のいずみストアーの泉浩二代表は「(旧盆と)重なったのは残念」と肩を落とした。

 台風の接近を見越して、従来行っている発注が今回は間に合わなかったという。「魚の在庫がなくなった。野菜・果物など供えもので期限が長いものは良いが、(フェリーの欠航などで)乳製品はじめ生ものなどが入らなくなれば痛い」と話した。

 名瀬市街地に展開する㈱グリーンストア末広店・平山佑起店長も「今回はタイミングが悪い」と表情を曇らせ、「接近に備えて在庫しているが、賞味・消費期限の短いものは大量には発注できない。貨物船の出航・欠航もギリギリにならないと分からないので心配もある」と語った。

 相次ぐ台風の接近は、奄美の漁業関係者にも大きな影響を与えている。名瀬漁協の組合員でイセエビの素潜り漁をしているという関係者は「8月の台風は大きな被害自体は幸い出ていないが、漁に出られないという影響は出ている。21日に(イセエビ漁が)解禁されるが、どうなるか…」と話した。

 また、市内で地場産の魚介類などを販売している鮮魚店関係者も「お供え用の注文もあるなかで、この時期(旧盆)の接近は非常に痛い。20号も発生しそう。今後も商品が入らないことが予想される」などと心配した様子で話した。