奄美大島北部、喜界でキビ被害

台風が通過した22日、奄美大島北部のサトウキビ畑。倒伏が多く見られた

倒伏に折損も減収率7~9%見込む

 奄美地方を暴風域に巻き込みながら通過した台風19号の影響で、奄美の基幹作物であるサトウキビにも大きな被害が及んだ。台風通過後にほ場を視察調査した奄美大島と喜界島の精糖関係者からは、減収を見込み落胆の声も聞かれた。

 奄美市笠利町の製糖会社・富国製糖㈱の職員らは、一夜明けた22日に町内一帯のほ場を調査。奄美大島島内では、特に北部地域が台風の影響を受け、笠利では最大瞬間風速43・2㍍を観測したが、「全面積で倒伏が見られた」という。

 7月1日時点の収量見込みに対し、9%の減収と分析。「倒伏がひどかった。折損はそれほど見られなかったが、葉先がつぶれているのもあった」。

 今後の見通しについては、「雨が降ったこともあり、塩害はそれほどないと思う」。「倒伏したキビも今後起き上がる可能性がある」などと話した。

 喜界島では、最大瞬間風速40・6㍍を観測。島内の生和糖業㈱の担当者は「風が強く、大きな被害。梢頭部(先端部)の折損が多かった」と声を落とした。

 7万8054㌶から5464㌶減少し、「7%の減収」と見込む。また、「1385㌶では葉部裂傷が見られ、夏植えは全倒伏だった」という。一方で、「9・10月の天候によっては、回復できるものと見ている」と話した。