参加者は実際に候補地に足を運びルートとしての可能性を確認・検証した
県自然保護課と瀬戸内町商工観光課は28日、地域住民を交え、奄美トレイルのコース選定や考察などを行う「世界自然遺産奄美トレイル・瀬戸内町北部第1回コース選定ワークショップ」を同町の篠川地区振興センター、同町役場の二地区で行った。参加者たちは、観光客目線に立って資源を見つめ直し、新たなルートも視野に地域の魅力を探った。
同町は、2018・19年の2年計画で奄美トレイルのルート選定に入り、20年に部分開通、21年に全線開通を目指している。現在、古仁屋市街地含む油井~西古見地区の西部地域と、古仁屋・蘇刈・阿木名などの東部地域の二地区でコース選定を進めている。
この日、西部地域では午後0時半、地域住民ら16人が参加しコース選定のためのワークショップを開催。九州自然歩道フォーラム・野元尚巳代表を講師に招き、トレイルに関する講演や候補地を散策して地元ならではのコースを検討した。
講演で野元代表は「(選定に向けては)地域に親しまないと何もわからない。奄美らしさを堪能しながら歩くことが大切」と選定に向けてのポイントを解説。続けて「旅行者は目線が違う可能性があり、非日常が財産。行ってみたいと思う、そういったものを求めて来る」と需要の大切さも説いた。
ワークショップでは、地図を広げて参加者同士、お気に入りのスポットをマーキングしながらルートを提案。「夕日も資源になるのでは」「ここはトイレが少ないので迂回しては」など、お薦めの候補地を線でつなぎ、ルート作成。
最後は、完成した地図をもとに、候補地を散策。実際に自らの足で歩き、その利便性や可能性を検証した。
ワークショップに参加した奄美大島エコツアーガイド連絡協議会の富永誠吾さんは「みんな熱がこもって、興味深い意見も多かった。瀬戸内町では海の候補地が目立つが、山も素晴らしいので、ぜひルートに組み込んでほしい」と話した。