大和村で防災訓練

集団災害訓練では、ドクターヘリも投入し、救助態勢の連携を確認した

地域や関係機関の連携確認
津波や多数の負傷者想定し訓練

 大和村は2日午前、村内を対象に「防災訓練」を行った。この日は、11集落552人の村民対象にした「津波避難訓練」、地元消防や役場、医療機関を含む約50人が参加する「集団災害訓練」を実施。村民や関係機関は、災害や事故発生から事態収束までの一連の流れを訓練し、関係機関との連携強化を確認した。

 村民が対象の津波避難訓練では、午前8時半、奄美大島近海でマグニチュード8・4の地震が発生し、大津波警報が発表されたと想定。同35分に消防から避難放送が入り、役場職員らが招集。役場に災害対策本部が設置された。

 村の対応として▽Jアラート放送▽避難誘導▽避難指示の発令▽エリアメールの送信―などを実施。各集落には職員2人を配置し、高台に避難した村民の被害情報の収集や伝達の連携を確認した。

 続く、村、大島地区消防組合大和消防分駐所、大和村消防団、県立大島病院、大和診療所が参加した集団災害訓練では、同村の西部グラウンド・今里漁港で、合計9人が乗る車両2台が玉突き事故を起こし、多数の負傷者が出たと想定。消防や救急車両が待機し、通報から、消火、救出、救護処置、搬送など、各機関の連携確認に重点を置き、一連の流れを実践した。

 訓練では、各機関に事故発生の一報が入ると、出動した水槽車などが現場に急行し、負傷者の状態を確認。ドクターヘリなどに救助を要請し、到着した救助隊員らは、状況把握に努め、負傷者を車から誘導・搬出した。
 運び出された負傷者には負傷の程度が示され、治療の優先順位を判定するトリアージを実施。応急救護や搬送先を振り分け、生命に関わる重篤な状態の最優先治療者は、同港に到着したドクターヘリの待つランデブーポイントに救急搬送した。

 訓練後、伊集院幼村長は「事故や災害では初動が最も大事になる。日頃からいろいろな災害を想定し、それぞれが常に緊張感を持ちながら、(いつでも出動できるよう)救助体制を整えてほしい」と総括した。