大和村でグリーン・ツーリズムシンポ

トークセッションで農家民宿を語り合う左から竹田さん、古薗さん、中村さん、右は司会の東川さん

「足元のもの大事にして」
農家民宿や先行事例など紹介

 かごしまグリーン・ツーリズム協議会は12日、大和村の防災センターでグリーン・ツーリズムシンポジウムIN大和村を開いた。農家民宿に関する講話や、すでに農家民宿などに取り組むNPOなどの事例を通して農家民宿の見識を深めた。登壇者から「足元にあるもの大事にしながら、無理しない範囲でやってみてほしい」とエールが送られた。

 同シンポは、県農村振興課の2018年度魅力・体験グリーン・ツーリズム推進事業の一環。同協会研究員の東川隆太郎さんが、司会進行を担当した。

 開会で東川さんがあいさつ。東川さんが民泊やゲストハウスとの比較で、農家民宿を解説。「農家民宿は旅館業法では簡易宿所に含まれ、いろいろな体験を提供し宿泊者との密な交流が行われ、高齢化などにより廃業や休業も起きる宿泊業」と説明した。

 東川さんは農家民宿では、体験プログラムが重要と指摘。「その地域や地元らしい体験、ここでしかできない体験が人気で、自分でできなければ地域や仲間とすると無理がない」と語った。

 伊仙町で「幸ちゃん家」を開業した竹田初枝さんは、リピーターなどからの感謝の手紙やDVDの映像などを紹介。「農家民宿を始めて、たくさんの人に出会えた。他人の真似をせず足元にあるもの大事にしながら、無理しない範囲でやってみて」と話した。

 NPO法人すみようヤムラランド事務局長の古薗孝太さんは、奄美市住用町で展開する4軒の体験民宿などを説明。「農家民宿に興味がある人は、一度来てもらい体験して取り組んでもらえれば」と語った。

 続いてNPO法人TAMASUの中村修代表も参加してトークセッション。農家民宿を行う上で、宿泊者をどうもてなすかなどの意見を交わした。

 濃密な交流を演出しリピーター獲得に成功している点について竹田さんは、「ニーズに合ったことをやっている。来た人にどうすれば喜んでもらえるかを考えて取り組んでいる」。

 また竹田さんが農家民宿を始めたことで、地域にもゴミを落とさないようになり、家の周りをきれいにするようになるなど変化が出て来ているという。