秋晴れに「タカ柱」出現

崎原小学校の児童などにアカハラダカの生態など解説

アカハラダカ(円内)が群れで旋回しながら飛び交いタカ柱を形成した

アカハラダカ、渡り1300羽確認
崎原小中・観察会 「立体的で迫力あった」

 奄美市の崎原小中学校(久野博幸校長、児童生徒19人)は19日、名瀬クリーンセンター近くの開けた高台でアカハラダカの渡りの観察会を開いた。児童や教職員などが参加し、双眼鏡で秋の風物詩・タカ柱を楽しんだ。

 アカハラダカは体長30㌢程の小型のタカで、朝鮮半島や大陸から東南アジアで越冬するために九州や南西諸島に渡って来る。9月初旬から10月初頭にかけて奄美の山では、アカハラダカが晴れた日の早朝に数百羽の群れが上昇気流に乗り渦を巻きながら「タカ柱」を形成する姿が見られる。

 観察会は奄美自然研究会(常田守代表)の常田さんと杉本寛久さんが担当。アカハラダカの渡りを観察し奄美の生きものや自然との関係などを知り、崎原の良さを知ってもらう目的で実施されている。

 参加者に双眼鏡の使用法や、アカハラダカの特徴、観察のポイントなどを解説。その後、持参した双眼鏡で観察を開始した。

 杉本さんは、「名前の通り腹部は赤く雌は特に赤い。渡りで奄美に来るのは、休憩して昆虫やカエルなど両生類のエサを採るため」と説明。タカ柱は、十分に休んで食料をとったアカハラダカが晴れた日の早朝に羽根を乾かし体を温め、地表面から上昇気流が発生した時に飛び立ち群れで弧を描きながら舞い上がることで発生するという。

 上昇気流で高所に達したアカハラダカは、上空から滑空と少しの羽ばたきを繰り返しながら南方に向け飛行する。常田さんたちがこの日観測したデータは、児童たちが観察した184羽も含めて約1260羽の群れを確認した。

 同小6年の美佐洸仁=ひろひと=くん(11)は、「アカハラダカの渡りの観察は2度目。タカ柱は立体的で迫力があった」と話した。