行事の幕開けとなった綱切りでは鎌を持った「シシ」が綱を切り、歓声があがった
50件を超える応募の中から選ばれたマスコットキャラクター「豊年隊 油井もーれ」
旧暦の8月15日、「十五夜の日」にあたる24日、瀬戸内町油井集落(内田百一区長、30世帯56人)の豊年祭・敬老会が同集落公民館であった。降りしきる雨の中、県指定重要無形民俗文化財の「油井の豊年踊り」が披露されたほか、6~7月に募集されていた同踊りのマスコットキャラクターイラストの作品発表もあり、「豊年隊 油井もーれ」が選ばれた。
豊年踊りはその年の稲作を終え、豊作を感謝すると同時に来年の豊穣を祈願する同集落の伝統行事。集落内で収穫された稲わらでできた綱引きから始まり、稲刈り、稲すり、米つきなど、稲作の諸作業を芸能化したものを披露する。長い歴史を持ち、同町を代表する民俗芸能の一つに数えられる。
この日は雨の降るあいにくの天気に。祭りの幕開けとなる綱切りでは、微笑んだ顔の紙面をつけた役者と、荒ぶる異形の「シシ」が登場。集落住民が多く参加する綱引きの合間に、鎌を持った「シシ」が綱を切断すると大きな歓声が上がった。
祭の中では無言劇「ヒゲフッシュ」や、寸劇「玉露カナ」などが披露された。演者のユーモアあふれる所作で会場を盛り上げた。内田区長は「世代交代の時期にあたるが、若い人たちが集落の外から帰ってきてくれて本当にありがたい」と語った。
マスコットキャラクター発表と、作者の表彰は開会式後に行われた。全国から50件以上の応募があり、埼玉県の池田克也さんデザインの「豊年隊 油井もーれ」がグランプリに。池田さんはこの日参加できなかったものの、「キャラクターたちが色々な活躍の場で皆さまに可愛がられ、育っていくよう祈っている」とコメントを寄せた。この日はキャラクター入りのうちわが配布され、今後もキャラクターは様々な場所で活躍するという。