奄美地方全域が暴風域

台風24号の北上、暴風域入りに伴い、大波が押し寄せ荒れ狂った海=29日正午すぎ、伊仙町前泊漁港=

強風で倒れたサトウキビ=29日午後1時20分ごろ、和泊町=

大型で非常に強い台風24号
激しい突風など注意 伊仙と与論で家屋被害

 大型で非常に強い台風24号は29日午後5時現在、沖縄県名護市の北西約50㌔にあり時速25㌔の速さで北北東に進んでおり、南部・北部ともに暴風域に入っている。名瀬測候所によると、今後は勢力を若干増しながら29日夜はじめごろから30日未明にかけて奄美地方に最接近し、暴風域が朝ごろ、強風域を抜けるのが南部で昼すぎ、北部が夕方ごろの見込み。また、29日午後7時現在、伊仙町で複数の家屋被害報告が挙がっており、与論町では屋根が飛ぶ家屋破損2件なども確認。今後は台風の範囲が広いことから影響が長い時間続く恐れがある。

 台風24号は29日午後5時現在、中心の気圧は950ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45㍍、最大瞬間風速は60㍍。中心の全域560㌔以内が強風域、東側280㌔以内と西側220㌔以内が暴風域となっている。

 予想される30日の最大風速(最大瞬間風速)は、北部で45㍍(65㍍)、南部で35㍍(50㍍)。雨量は、多いところで1時間80㍉以上の猛烈な雨、午後6時までの24時間では400㍉を見込んでいる。

 波の高さは、最大で北部13㍍、南部10㍍を予想。同所は、30日にかけて潮位が高くなることから、特に低い土地の浸水や高潮のほか、土砂災害や河川の増水への警戒、局地的な落雷や竜巻などの激しい突風などへの注意を呼び掛けている。

 台風24号の29日の状況は、最大瞬間風速で見ると同日午後2時19分、与論町で48・9㍍を観測したほか、和泊町で40・6㍍、天城町で39・6㍍の非常に強い風が吹いた。27日午後0時から29日午後5時までの総降水量は、天城148・0㍉、与論島121㍉、和泊町98・0㍉となった。これに伴って、伊仙町や与論町で屋根が飛ぶ家屋破損などが複数件確認されている。

 このほか、29日午後6時現在、県大島支庁ほか、10市町村で災害対策本部、徳之島町と天城町で警戒本部を設置。12市町村の全てで避難勧告が発令されており、市町村ごとの避難者数(同日午後5時調査時点)は、▽奄美市47世帯64人▽龍郷町53世帯60人▽瀬戸内町60世帯92人▽大和村54世帯78人▽宇検村83世帯130人▽喜界町26世帯33人▽徳之島町32世帯60人▽伊仙町14世帯19人▽天城町27世帯46人▽和泊町40世帯59人▽知名町77世帯126人▽与論町183世帯355人―となっている。