ごみ焼却、大幅な遅れ

300㌧収容のゴミピットも収容範囲を超えた処理が続いている

台風で災害ごみや停電影響
名瀬クリーンセンター

 台風24号の影響で、奄美市の名瀬クリーンセンター(大島地区衛生組合)でも悲鳴が上がっている――。同センターでは、現在平時の3~4割増のごみが毎日運ばれており、29日~2日まで続いた停電の影響もあり、焼却が大幅に遅れている。今後台風25号も迫っていることから、担当者は「被害が広がらないことを祈るばかり」と肩を落とす。

 同センターでは、定期点検で焼却炉1基の運転を13日まで休止しており、現在1基のみが稼働。遅れを取り戻そうと、通常14時間のところ24時間体制で休みなく焼却を続けている

 また、約70時間続いた停電中も受け入れのごみは増え続け、300㌧収容できるゴミピットは許容範囲を超え積載。分別の置き場は、ごみ袋や倒木が道路まであふれるなど、対応に追われている。

 今回の遅れに対して担当者は「停電による処理の遅れが大きい」と話し、ベテラン職員も「復旧は今までで一番遅かったのでは」と嘆いた。今後に向けては「継続の難しさや大切さを改めて感じた。発電機の導入を検討するなど対策を講じたい」と述べた。

 一方、災害の復旧などに伴い災害ごみがさらに増えることも予想される。災害ごみである布やシーツ、倒木などが頻繁に機械に絡み停止しているという。

 担当者は、「効率を上げるためには、スムーズな運転が欠かせない。長さや大きさなどの制限を守って分別を」と訴え、屋根や壁、倒木などの災害ごみについては「事前に連絡いただければアドバイスもできる。気軽に相談してほしい」とスムーズな運営への協力を求めた。

 同センターは、今回の事態収束を11月中旬頃と見込んでおり、今後の影響次第では更に遅れる可能性もある。また、今後は2基目の定期点検も控えており、一刻も早い対策や対応が望まれる。