東ヶ丘自治会に買い物支援

市職員らが運搬した商品を購入した東ヶ丘自治会の住民ら

グリーンストアが商品用意
寸断の道路、復旧めど立たず 奄美市

 奄美市は4日、台風24号の被害により車両による通行ができなくなっている同市名瀬小浜町の東ヶ丘自治会(松下京子自治会長、125世帯205人)に買い物支援を行った。市職員らが災害時の支援物資供給に関する協定を結んでいる㈱グリーンストア(同市名瀬入舟町)が用意した商品を運び、同自治会集会所で販売を行った。

 先月30日夕方ごろ、同市名瀬小浜町で起こった土砂崩れにより、同自治会に至る唯一の車道が通行止めに。住民は未舗装の山道を通じて市街地と自宅を行き来するほかない状況にある。同市は緊急的に階段やロープの設置を行っているが、山道は急峻で、高齢者や子どもにとっては危険が多い。住民は食事や買い物などの対応に苦慮を強いられている。

 こうした状況下を受け、市と自治会役員は2日に同集会所で打ち合わせを実施。住民からの要望もあり、同市が「災害時における支援物資の供給に関する協定」を結んでいる同社に買い物支援への協力を依頼。同日中に、運搬可能な商品をリスト化した注文票を作成し、地区内に配布した。

 3日には記載済みの注文票を回収し準備。日頃から同社の移動スーパー「とくし丸」が同集落を巡回していた木曜日にあたる4日に商品の運び込みを決めた。

 この日は市福祉政策課と高齢者福祉課の職員約10人が商品を運搬。20世帯分の商品が入った段ボールを1~2個ずつ抱え、約20分かけて山道を登った。集会所に運び込んだ後は自治会内の放送で住民に呼び掛け、市職員が販売した。

 この日、インスタント食品などを購入した南睦子さんは「最初の1、2日は歩いて市街地へ下りたが、足腰に負担がかかり大変だった。市職員が持ってきてくれるのは本当に助かる。片側でもいいので早く復旧してほしい」と話した。松下自治会長は「市長も視察に来てくれたし、行政の迅速な対応に感動した」と声を震わせた。

 寸断された道路の復旧見込みは立っておらず、同市は今後も毎週木曜日に買い物支援を行う予定。商品を運んだ福祉政策課の池田勇次社会福祉係長は「住民の笑顔を見たら頑張ろうと思えた」と意気込んだ。