台風24号で被害を受け、現在非稼働となっている喜界町クリーンセンター
喜界町内のごみは緊急的に別の集積ヤードに運び込まれている
台風24号の影響で、喜界町湾の町営クリーンセンターが建物の外壁破損や集中管理室の天井落下などで10月1日以降、非稼働の状態が続いている。同町の説明によると、現在施設被害を調査中。島内のごみは受け入れられず、別仮置場に集積している状況にある。今後の対応について川島健勇町長は「重要施設の被害を早急に確認し、住民生活に支障ないよう最善の対応を図りたい」としている。
同町住民課は30日未明に、奄美地方北部に最接近した台風による強風での被害発生と推察。外壁部が数カ所以上、集中管理室内の損壊は視認しているが、「建物全体の損傷度は詳細な調査が必要」(同課担当者)とし、敷地内は現在立ち入り禁止となっている。
台風一過の2日は、一時的に生活ごみも受け入れていたが、現在は同センター近くに仮の集積ヤードを設け、一般ごみなどを収集車が運び入れている。島内のごみ回収スケジュールは、可燃ごみは週4回、不燃ごみ月2回、ペットボトル・缶月4回、瓶月2回。
一般廃棄物処理の18年度計画量見込みは1408㌧。年間取集日から試算すると1日平均3㌧以上となるため、集積ヤードが今後満了となる可能性を指摘する声も出ている。
同課は集積ヤードの満了時期は未知数とした上で、建屋については安全確保ができないため内部に立ち入りできず、電気系統のチェックなど本格的な復旧作業は未着手とした。
その上で今後の方針について同課担当者は「島外持ち出しの可能性は高い。それを踏まえて復旧予算を検討したい。状況を把握次第、島民にごみ減量化など対応への理解を求めたい」との意向を示した。
再稼働まで長期化する懸念もあり、島民からは困惑の声も。同町湾の女性(46)は「(センターが)動いていないのは聞いていた。ごみがたまるのが早そう。悪臭やカラスによるごみの散乱など問題が発生するのでは」。同町伊実久の80代男性は「各家庭のごみ回収がどうなるのか、周知してもらえるとありがたい」とそれぞれ話した。
同センターは1992年に供用開始。老朽化のため、町側は同地に新たな焼却施設を2017年度から4カ年計画で進め、今年9月議会では「ごみ焼却施設建設工事」(19億8720万円)の入札を可決。21年4月の供用開始を予定していた。
川島町長はセンターの被害に、「想定外の強風が吹いたと思う。非稼働の長期化もあり得るので、必要があれば島外への運び出し処理など様々な状況を想定し、迅速に対処したい」と述べた。