昭和初期の暮らし回想記

「かたりべ」を発行した松夫佐江さん

松夫佐江さん 「かたりべ」発行

 奄美市名瀬在住の松夫佐江さん(91)はこのほど、「昭和初期・奄美の暮らし回想記『かたりべ』」を発行した。B5判、86㌻。

 松さんは1927(昭和2年)生まれ。回想文は松さん、挿絵は発行所の「かつしか工房」の大原勝美さんが担当した。

 目次は①働く姿②知恵のある暮らし③交流を結ぶ生業④戦時下に生きる⑤いのちを尊ぶ食⑥夢中で楽しむ⑦民間療法⑧子供の遊び⑨盆と正月⑩生活道具⑪懐かしい思い出⑫祈る心、敬う心⑬忘れられない記憶―で構成。

 「夢中で楽しむ」目次では▽闘牛▽活動写真と弁士―を紹介。「民間療法」では▽カマウンシ(釜蒸し)▽灸、薬草▽吸い玉▽はしか(麻疹)のまじない―を紹介している。

 あとがきで松さんは「昭和初期の頃のことを語る人も少なくなりました。遠ざかりゆく昭和の歴史や暮らしの記憶を回想しつつ、書いて残すべく昭和の語り部の一人として不十分ではありますが、ペンをとった次第であります」と記している。

 松さんは、伊仙町阿権出身。1993年から全国の阿権出身者を結ぶ「あおばと通信」を発行、今年で86号を数える。著書は「南風の吹くシマで」「いにしえ」「風の贈りもの」「美しいアマン島」がある。

 「からりべ」は定価1500円(税別)。楠田書店、TSUTAYA名瀬店、ブックス十番館で購入できる。 

 問い合わせは、かつしか工房?0997―69―3739へ。