クロウサギ事故防止キャンペーン

行動活発化、夜間運転に注意
各地でチラシ配布イベントも

 環境省奄美自然保護官事務所と徳之島自然保護官事務所は1日から、奄美大島、徳之島の2島で2018年度「アマミノクロウサギ交通事故防止キャンペーン」を実施している。同奄美自然保護官事務所の早瀬穂奈実自然保護官は「注意次第で救える命が増える。夜間に林道を通行する際は、すぐに止まることができる速度で走ってほしい」と呼び掛けている。

 同省のまとめによると、00年の調査開始から今年8月末までのクロウサギの交通事故確認件数は累計で242件。このうち傷病個体として保護されたものは10件にとどまり、232件は死亡した状態で発見された。

 15年以降、事故件数は増加傾向にあり、過去最多は17年の34件(奄美大島26件、徳之島8件)。今年は8月末現在で、22件の事故が確認されており、徳之島ではすでに11件と最多だった8件を超えている。

 22年間の累計事故件数を月別にみると、最多が9月で33件。続いて10月24件、12月26件、11月19件と、クロウサギの行動が活発になる秋から冬に件数が多くなっている。こうした現状を受け、同省は毎年秋にキャンペーンを実施。地域住民や観光客に安全運転を呼び掛け、住民・観光客の野生動物事故防止への意識高揚を図る。

 期間中は2島内各地で自然保護官や、クロウサギのマスコットキャラクター「あまくろ」がチラシ配布し、事故防止を呼び掛ける。このほか、各種施設へのポスター掲示や、市町村広報誌への掲載、同省野生生物保護センター(大和村)での特別展示など、広報・周知に注力する。期間は11月30日まで。