恒久平和を願い、戦没者へ祈りを捧げる参列者たち
平和への誓い新たに
「歴史と記憶を風化させてはならない」
戦没者を追悼する2018年度「第113回笠利町招魂祭」が16日、奄美市笠利町の農村環境改善センターで行われた。遺族や行政関係者などが参列し、戦争で犠牲となった同町出身者の霊を慰め、平和への誓いを新たにした。
招魂祭は、同町遺族会(丸田一仁会長、会員132人)を中心に、毎年同日に実施。例年同町の太陽が丘総合運動公園招魂前広場で執り行われているが、天候や遺族の健康を考慮し、今年は同センターでの開催となった。
また、同公園にある招魂碑には、日清戦争から太平洋戦争までに戦死した軍人587柱、女子挺身隊9柱がまつられており、いずれも10月16日(1904年、58年)に建立。参列者らは、黙とうを捧げて追悼の言葉を捧げるなど、戦没者の遺徳をしのんだ。
朝山毅奄美市長は式辞で「戦争を知らない世代が8割を占める時代となった。悲惨な戦争を二度と繰り返さないためにも、歴史と記憶を風化させてはならない」と強調。丸田会長は「英霊の功績に恥じない生き方を自らに課し、あの悲劇を繰り返さないよう(後世に)訴え掛けていくことを改めて誓う」と述べ、今後も後世への継承を誓った。
献吟に続き、参列者は次々と焼香。戦没者に手を合わせて不戦を誓うとともに、恒久平和への祈りを捧げた。
式典後は、同町遺族会の18年度総会を実施。佐仁2区・新理事に屋絹江さんが就任するなど5議案を承認した。