従来なかった県道で発生

徳之島町轟木の県道80号線で交通事故に遭ったアマミノクロウサギ(提供写真)

徳之島・クロウサギ交通事故
「夜間運転に十分注意」

 環境省徳之島自然保護官事務所は16日、徳之島町の県道で国の特別天然記念物アマミノクロウサギが交通事故に遭ったと発表した。事故に遭ったクロウサギはやぶに逃げ込み、消息は不明。発見地がこれまでクロウサギが確認されていなかった地点で、交通事故が頻発していることから同所は、「事故防止の呼び掛けを強化して注意喚起したい」とした。

 同所の沢登良馬自然保護官によると12日夜、住民から交通事故に遭い、けがしたクロウサギがいると通報を受けて現地に行きクロウサギの成獣を確認。だが、保護のための捕獲に失敗して道路脇のやぶに逃げ込まれてしまったという。

 徳之島のクロウサギの生息地は、北部と南部に分断されていたが、今回の発見地点は同町轟木の県道80号線付近と従来は未確認の場所。同地は北部と南部の中間地域で、両地域の個体の交流可能性も今後検討していく。

 徳之島でのクロウサギの交通事故被害(ロードキル)の発生件数は、16、17年は8件だったが、18年は10月15日現在で13件と過去最多を更新。同所は今月からクロウサギの交通事故防止キャンペーンを展開していることもあり沢登自然保護官は、「キャンペーン中の事故で、一層の注意喚起を求めたい。クロウサギをはじめとした希少野生動物の交通事故防止に、夜間の運転には十分注意を払ってもらいたい」と呼び掛けた。