完成した久慈白糖工場の復元模型のお披露目をした古仁屋高生たち
瀬戸内町の県立古仁屋高校(大山良一校長)は22日、同校の生徒がテーマ研究をしている久慈の白糖工場の復元模型の完成お披露目を行った。当時の白糖製造工程を忠実に再現した模型は、27日にある同校文化祭で一般公開し、28日に企画している謎解きを行うバスツアーでも紹介されるという。
同校の1、2年生で地理歴史科を学ぶ生徒のうち12人が復元模型製作に参加。復元模型の作成は、7月にあったインターンシップで町の埋蔵文化財センターの職場体験学習がきっかけだという。
生徒たちは職場体験で町内の戦跡や、白糖工場跡などの近代遺跡を見学。特に印象に残ったのが白糖工場跡で、工場の基礎に使われていた凝灰岩切石(白糖石)を現地で確認して、しっかりアピールすれば観光資源になるのでないかと感じたという。
県が明治維新150周年プロジェクトの一環として、維新未来博を来年2月上旬に実施予定としているので、生徒たちが白糖工場を研究テーマに発表することに。生徒たちからのアイデアで▽白糖工場の模型を作ってアピールする▽高校生ガイドが地元の小学生に魅力を説明する―ことなどが決められたという。
大山校長が工業の専門で図面が引けるため、監修をして当時の製糖工場の資料図などを参考に、50分の1の縮尺で復元模型の設計図を作成。インターンシップが終了してから、文献や資料をあたり約3カ月で構想を固めて、2週間ほど模型製作に参加できる生徒が放課後などを利用して完成させた。
工場は推定で約90㍍×約27㍍の規模で、煙突7本(最大約36㍍が1本、約18㍍が6本)があり、ボイラーでスチームエンジンなどを稼働させていた近代的な工場と考察。模型はペットボトルや段ボール、空き缶など日用品を用いて、製作費が掛からないよう工夫した。
この日お披露目の説明を行ったのは、同校2年の濱田怜弥さん(17)、奥村芽生さん(同)、岩木乙香さん(16)、福沢あさひさん(同)の4人。久慈に西洋の技術で白糖工場が建っていたことを初めて知り、島津斉彬=なりあきら=の発想力や、それを形にした五代友厚とトーマス・グラバーの実行力に驚いたという。
模型製作に関わり、「貴重な経験ができた。恵まれている」(濱田さん)、「作ってみて詳しく知ることでき良かった」(奥村さん)、「これまでの展開に驚いている。文化祭では堂々と発表できるように調べたい」(岩木さん)、「新しいことが知れて良かった。発表に向け頑張りたい」(福沢さん)とそれぞれ感想を話した。
完成した復元模型は27日、同校の文化祭で午前9時から午後3時まで会場に設置。同日の午前11時35分~午後1時25分ごろは、製作に関わった生徒が常駐して解説を行う予定となっている。
また28日は、町教委の協力により同校の主催で謎解きを盛り込んだバスツアー「白いダイヤモンドの謎を解け」も開催され、高校生ガイドも参加するという。