奄美書道協会・錬成会

奄美書道協会・錬成会

詩吟にのせて吟詠書道のパフォーマンスを披露する徳田紫柳さん(中央)

一流の所作や筆運び間近に
徳田さん講師 豊かな表現力披露

 奄美書道協会(根釜哲良会長、会員45人)は21日、南日本書道展委嘱作家・徳田紫柳さん=本名・正美=に書の考え方や技術を学ぶ「書道錬成会」を奄美市名瀬の奄美文化センター会議室で行った。会員らは、講師の話に耳を傾け書の添削を受けるなど、一流の所作や筆運びを間近に味わった。

 講師の徳田さんは、1989年に南日本書道展で県知事賞を受賞し、日本最高峰の日展で5回の入選を果たすなど、全国でも屈指の書家の一人。各団体の理事や役職も多数務め、鹿児島市では書道研究「紫風会」を主宰するなど、後進の育成にも尽力している。

 この日は、徳田さんによる講話や解説、実技指導などを実施。古典書を見て書く臨書や創作活字の手本を示しながら、豊かな表現力を披露した。

 徳田さんは、会員の作品を丁寧に添削しながら「技術が先走ると書は良く見えない。心を表すことに意識をおくことが大切」などレクチャー。バランス力や全体の構えを養うための方法として、紙の折り方なども指導した。

 後半は、「創作のためのエキス」と話す、吟詠書道のパフォーマンスなども披露。読み上げる詩吟に情景を重ねながら筆を走らせた徳田さんは「(書道を)好きになるためにはこういう世界があってもいい。(創作は)苦しいけど、楽しみながら腕を高めてほしい」とアドバイスした。

 根釜会長は「線の弾き方や強弱に訴える力を感じた。(会員は)先生の教えを生かしてほしい」と話した。