介護予防「モニ体操」効果検証

鹿屋体育大准教授から介護予防、高齢者「モニ体操」の直接指導を受ける参加者たち=2日、天城町

鹿屋体育大 天城町で離島高齢者対象に研究

 【徳之島】鹿屋体育大学(鹿屋市)は2018年度「離島在住高齢者を対象とした運動教室とその効果~家庭型・地域型運動教室の効果をみる研究」を天城町で推進している。第3回取り組みの2日からは、同大スポーツ生命科学系准教授のイスラム・モハモド・モニルル氏(54)=医学博士=自ら指導の「モニ体操」教室が始まった。

 研究テーマは「モニ体操プロジェクトで介護予防!~より適切で効果的な介護予防に取り組む~」。同体操は、水を入れたペットボトルも応用して高齢者の体力に応じた転倒予防、筋力づくり、持久運動などによる介護予防が目的。

 天城町が同大の生涯スポーツ実践センターの17年度「健康キャラバン」に応募し、モニルル氏が来町講話(昨年12月)した際、同町の介護予防取り組みに関心を持ち、家庭型・地域型運動教室と効果に対する研究に協力を要請。以来、町有線テレビ(AYT)で1日2回の「モニ体操」放送・普及と併せて、65歳以上の50人を対象に7月からの体力測定で研究プロジェクトをスタートしていた。

 2日の第1回「モニ体操」教室は町役場であり、89歳の里村勉さん(平土野)と静森タカさん(同)から60代までの30人が参加。イスに腰かけての準備運動、転倒防止のつま先やかかと上げ下げ、ペットボトルの負荷を応用した有酸素運動など数々の運動を体得した。

 モニルル氏は、独居高齢者の例で「1週間、他の人と話す機会が1度もないままテレビのチャンネルを変えて聴いているだけ。夜も眠れない。それで、人生がおしまいかなと思ってしまって自殺してしまう人も」。予防には「身体的能力の改善(介護予防)だけではなく、精神的な心の健康づくりにも焦点を当てることが重要。ここ(集い・交流)で友だちづくりができたら精神的な健康にもつながる」とも。

 運動には「高血圧など生活習慣病を持ったまま運動するときのリスク管理はとても重要。若い人は体力差があまりないが、年配の方は同じ年代・性別でも個人差が激しい。キーワードは〝隣の人をみて競争をしないでマイペースで〟。楽しみながらリスクを減らし安全性を確保しながらの運動は効果が出ます。リーダーが育ってほしい」と話した。

 参加者たちは各家庭で同体操を継続して運動日誌に記録。この間の今月23日と12月12日にも同氏が直接指導。同月17日に効果検証の体力測定を実施。結果は町当局に提供し、学会などでの論文発表も検討。来年度継続も検討するという。