地域防災リーダー養成講座

地域防災リーダー養成講座

自治会長、自主防災組織会長、消防団員などが参加し、防災への知識を深めた

経験とらわれず、周囲に声掛けを
自主防災組織率 奄美市、県内最低54・7%

 県などが主催する「地域防災リーダー養成講座」が3日、奄美市名瀬のAiAiひろばで始まった。奄美市、瀬戸内町、天城町から自治会長、自主防災組織のリーダーや消防団員など約40人が受講。幅広い災害についての知識を身に着けた。

 同講座は地域における防災活動の指導的役割を担う地域防災推進員を育成する目的で、県、(一財)日本防火・防災協会、(一財)県消防協会などが主催。2005年から始まり、これまでに県全域で725人が同推進員として認定された。同市での開催は3回目。奄美群島内では徳之島町、和泊町、与論町での開催実績がある。

 この日は、県、鹿児島地方気象台などから講師4人が登壇。全般的な防災対策のほか、集中豪雨、土砂災害など個別の災害への備えについて語られた。

 県危機管理防災課の牧元三郎防災係長は、県の防災対策全般について講話した。7月の西日本豪雨発生時、避難しなかった住民が多かったことを事例に、「自分のところは大丈夫」と思い込む「正常性バイアス」を紹介。「これまでにないような災害が各地で起こっている。経験にとらわれず、自分の命を守る行動を取り、周りの人にも声掛けをしてほしい」と呼び掛けた。

 また「災害発生直後の初動においては地域での助け合いが大切」とし、自主防災組織の重要性を強調。同課によると、17年4月現在の県内自主防災組織90・6%と、全国平均の82・7%を大きく上回った。一方で奄美群島の組織率は81・0%。中でも奄美市は54・7%と県内最低だった。

 鹿児島地方気象台の平山久貴防災気象官は、「雨の降り方が昔と変わっている」とした上で、線状降水帯、ゲリラ豪雨などのメカニズムについて事例を交えて解説。今年の台風24号については、「海水温の高い黒潮に沿って進んだため、勢力があまり衰えなかった」と記録的な暴風の要因を語った。

 また、「特別警報が出た後は外出するのも危険。発表される前に避難してほしい」と呼び掛け。気象庁が発表する危険度分布や台風情報などの防災気象情報を紹介し、適切な利用を促した。

 この日は県砂防課による土砂災害対策、保健師による地域防災活動についての講話もあった。同講座は4日も引き続き行われる。