水道水の硬度低減化を

石灰が詰まった水道管を見せ現状を説明し、要望活動を行う今井町長(左)

知名町今井町長、早期実現を厚労省・総務省に要望

【東京】知名町の今井力夫町長は6日、金子万寿夫衆院議員とともに、同町の水道水の硬度低減化施設整備の早期実現について、厚生労働省医薬・生活衛生局と総務省自治財政局で要望活動を行った。

 同町は2014年度に水道水の「硬度低減化施設整備計画」の導入を決定したが、過去の工事起債残高が11億円残っていたため、事業導入を見送っており、現在も8億8千万円の起債残高がある。また、20立方㍍あたりの家庭用水道料金は4578円と、与論町、和泊町に次いで県内で3番目に高い。

 同町は隆起石灰岩地質の地下水源に水源を依存していることから、水道管や調理器具・給湯器・ボイラーなど石灰が発生。今年度実施した町民へのアンケート調査では、▽機器類の寿命が短くなる▽沈殿物が気になる▽おいしくない―などの不満が多く寄せられた。飲料水については、多くの町民が市販の飲料水を活用し、町民の半数以上が軟水機を設置するなどしており、水道料金が値上がりしても、おいしい水を飲むことができる同事業導入に半数の町民が賛成しているという。

 すでに奄美群島内では喜界町や和泊町が同様の施設を設置。沖縄県の宮古島では00年に国庫補助(2分の1)を受けて施設整備が完了している。

 今井町長は、石灰が詰まった水道管の切断部分を両省の担当者に示し、「これで水道が止まり、消火栓も詰まる。ワイシャツが約1年で黄ばむ。石灰での健康被害も気になる」。国庫補助を現行の4分の1から3分の1にかさ上げし、硬度低化施設を一般会計出資債対象事業(過疎債を含む)に格上げすることを両省に要望した。

 同町の現状を十分に説明できたとする今井町長は、「安心、安全な水を町民に届けたいという思いは生存権にも関わること。今年度中に踏み切り、来年度には着工できるように」と要望を繰り返した。同行した金子議員は「両省ともに理解いただき、前向きな答えをいただいた」とした。

 今井町長は7日、同様の硬度低減化施設が整備されている伊豆大島の視察を予定している。