DeNA秋季キャンプ楽しもう

市民球場で練習を行う横浜DeNAベイスターズの選手たち=10日、市民球場で

奄美PRする球団や選手
島ッチュももっと応えて

【東京】今年で9年目となる横浜DeNAベイスターズ奄美大島秋季キャンプが11月2日から三儀山の市民球場で始まった。今季のスローガン「凡事徹底~SOMETHING MUST CHANGE!!~」の下、総勢28人の選手たちが参加。元気に汗を流している。

だが、観客席に目を向けると、残念なことに島外からの観光客ばかりが目立ち、島ッチュの姿はほとんど見られない。

「どうして島の人たちは来ないの? 奄美は穴場なのよ。選手の練習を間近で見られるし、サインも並ばないでもらえるなんてサイコー」。訪れた島外のファンたちは口をそろえて、不思議そうに話す。

逆にキャンプに参加しているDeNAの選手たちのほうが、島でのキャンプ情報や休日に訪れた海などをSNSに載せ、奄美をPRしてくれている。応援してもらうばかりでは島の名折れになりはしないだろうか。島ッチュも秋季キャンプに足を運び、選手たちを力いっぱい応援し、一緒に楽しもう!そう願わずにはいられない。

横浜DeNAベイスターズは「奄美デー」という催しを行っている。これはシーズン中の横浜スタジアムでの公式戦に、主に神奈川県内に住む奄美出身の人たちを招待するもの。参加してみると、横浜の空の下に映えるスタジアムのオーロラビジョンに、奄美群島の観光スポットや物産品が次から次へと紹介されていた。

「はげえ、招待してもらった上に、島をこんなにPRしてくれるなんて、本当にありがたい」。当初から参加している神奈川奄美会顧問の永野章さんは感激の声をあげる。横浜スタジアム近くの自宅には、浜風に乗って試合の歓声が届くという。

例年「奄美デー」に参加している朝山毅奄美市長は試合後の集いで、「年々、奄美の認知度が高まっていることを感じる。とてもありがたい」と球団への感謝の思いを語る。

また「横浜DeNAベイスターズ奄美協力会」副会長の東美佐夫副市長も今年の歓迎レセプションで「来年の日本シリーズにDeNAが出場して、横浜スタジアムを奄美出身者で満員にするのが私の夢」と話す。

キャンプ中は選手たちと島の子どもたちとの交流も盛んに行われている。野球教室の開催、学校での講演会、スポーツ少年団との食事会など、子どもたちは楽しく、真剣に選手たちの指導を受けている。

奄美デーはもとより、球団のこうした「青少年の夢広げ活動」は島への大きな貢献と言える。サービス精神旺盛な球団、選手たちに島ッチュももっと応えてはどうだろうか。

たとえば、テレビ番組でも大きく取り上げられている大島高校の応援団の演技披露、横浜DeNAベイスターズの応援歌「勇者の遺伝子」をバックコーラスで歌っている奄美出身のシンガソングライター・平田輝さんに奄美秋季キャンプ応援歌を作曲してもらうなど、楽しい企画満載で「横浜DeNA奄美秋季キャンプ感謝祭」を催すのはどうだろうか。

大洋ホエールズから横浜ベイスターズ、そして横浜DeNAベイスターズへと歴史を刻んできた球団。その球団の現オーナーは日本プロ野球史上初の女性、南場智子さんだ。

島は「ウナリ神の島」。球団唯一のウナリ神、南場社長と選手たちをみんなで応援せんば。秋季キャンプは19日まで。人気商品は「凡事徹底」秋季キャンプ限定タオル(1800円)だ。
    (永二優子)