群島農業祭

奄美群島農業祭および天城町農業祭の式典=18日、同町防災センター

「水・気候・低コストで生産性向上を」
天城町農業祭と併催

 【徳之島】第31回奄美群島農業祭(奄美群島農政推進協議会主催)と第48回天城町農業祭(同実行委員会主催)は18日、同町防災センターであった。地域農業の発展などに功績のあった個人・団体の表彰や事例発表、記念講演などを通じ地域農業の振興を決意。各種展示即売会の屋外イベントなど多彩な催しでにぎわった。

 群島農業祭は3年に1回市町村持ち回りで開催。徳之島では2006年度の徳之島町会場いらい12年ぶり。式典には市町村の関係者ら約3百人が出席。地元中高生ミュージカル「結シアター手舞」一行の勇壮な舞踊ダンスで開会した。

 群島農政推進協の川島健勇会長(喜界町長)は、相次ぐ台風24、25号被害からの1日も早い復旧を願いつつ、①亜熱帯性の温暖な気候と水を生かした低コストで生産性の高い産地づくり②農産物ブランド化推進③奄美農業の将来の発展を支える担い手の確保育成④農業基盤整備の技術浸透、生産性向上へ関係機関・団体一体の取り組み―などを強調。大久幸助天城町長は、歓迎の意とともに徳之島ダム(貯水量730万㌧)の畑かん機能を生かす同島農業の現状や展望も紹介した。

 各種表彰に続き、天城町兼久地区水利用組合の秋田浩平会長が「新規散水地区における畑かん推進活動」で事例発表し、鹿児島大学農学部の高山耕二准教授が「野生鳥獣との知恵比べ~野生動物による農作物被害をどう防ぐ?~」で記念講演。町内の徳之島ダムや茶園、獣肉加工・販売施設「山猪(やましし)工房あまぎ」、実エンドウとバレイショほ場など現地視察もあった。

 屋外イベント広場には各種農畜産物や花き野菜類の種苗、特産6次産品など多彩なコーナーを設置。地元産子牛を本土で肥育した黒毛和牛肉約50㌔と山猪工房のイノシシ肉約20㌔の無料試食サービス、ゆいの里天城漁業集落の「お魚まつり」ブースは行列のできる人気ぶりだった。