ヤッコソウ開花

愛らしい姿の花を咲かせるヤッコソウ(23日、奄美自然観察の森)

今年は例年より少なめ
寒気ピーク、各所で冷え込み

 奄美地方は22日から23日にかけ、大陸から張り出した寒気の影響を受け冷え込んだ。龍郷町の奄美自然観察の森では23日、気温低下を待っていたかのように、「ヤッコソウ」のユニークな白い花が地面から顔をのぞかせていた。

 ヤッコソウはスダジイの根に寄生する多年生寄生植物。栄養体は寄主植物の体内にあり、花のみが寄主植物から出てくる。ラフレシア科で、四国・九州以南に分布し、花茎は葉緑素を持たないため乳白色で、高さは最大7㌢程度。和名の由来は奴=やっこ=さんが練り歩く姿に似ることによる。見頃は12月中旬ごろまで。

 同観察の森の川畑力自然観察員指導員によると、今年は小雨などの影響で、個体数が例年より減少。また、開花時期は例年通りだが、個体によって咲き具合にばらつきがあるという。川畑自然観察指導員は「木から離れた場所でも咲いていることもあるので、観察の森を歩くときは足元に注意してほしい」と呼び掛けている。

 この日の奄美地方の最高気温は20度から22度。最低気温では、瀬戸内町古仁屋14・5度、伊仙町15・3度と2カ所で今季最低値を記録した。

 名瀬測候所によると、寒気のピークは23日朝ごろで、24日以降は、気温が上がる見込み。一週間予報によると、25日から30日までの奄美地方の最高気温は23~25度と平年並みか平年より高くなりそう。