大島信氏の功績たたえる

「大島信記念碑」前で式典が執り行われた。参加した子孫ら

龍郷町名誉町民 中勝で生誕165年祭
島内外から子孫駆け付ける

 龍郷町名誉町民の「大島信生誕165年祭」が24日、出身地の龍郷町中勝で開かれた。子孫が島内外から20人以上駆け付け、中勝集落民、来賓などを合わせて60人以上が参加した。大島信記念碑前で式典が行われ、中勝公民館では講演と懇談会があり、名誉町民・大島信氏の功績をたたえた。

 大島信氏は1853年生誕、1899年に46歳の若さで没した。名誉町民経歴等には▽1871年 上鹿して本学校(造士館)に学ぶ▽77年 藩閥の本校造士館を卒業、東京大学農学部の前身、駒場農学校に入り、専修学校(専修大)で法律・理財学を学ぶ。卒業後、埼玉県庁勤務を経て内務省出仕▽87年 「大島郡糖業意見書」を書き上げる▽92年 衆院議員に就任、98年衆院議員退任(3期・6年務める)▽佐賀県東松浦郡長となる▽99年 3月死去―などの足跡、功績を記している。功績をたたえ2005(平成17)年に龍郷町名誉町民に推挙された。

 この日の生誕165年祭は、福岡奄美会副会長を務める、ひ孫の大島彰氏が主催した。

 中勝集落中央付近にある記念碑で式典が行われ、主催者あいさつした大島彰氏は「生誕165年祭に参列いただき、ありがとうございます。中勝集落の方々には日頃から記念碑周辺をきれいにしていただき、感謝している。生誕祭を執り行えることができるのは皆さまの支援、協力のおかげ」と述べた。

 中勝集落の中田留弘区長は、30年前に開通した国道58号バイパス、本茶トンネルができて以降に集落人口・世帯数が増加した変遷などの話を交えて「住民が安全で安心して暮らせる集落づくりに努めていきたい」とあいさつした。

 来賓祝辞で竹田泰典龍郷町長は「先生は、奄美初の中央内務官となり、明治25年からは奄美出身者2人目の衆院議員として活躍された。黒砂糖生産、離島間の航路整備など奄美の産業発展や島民の生活向上に尽力された。また、後進、師弟の指導にも心血を注ぎ、人材の町・龍郷町の先べんをつけられた」と述べ、朝山毅奄美市長は「多くの人材を輩出してきた龍郷町、中勝集落に敬意を表したい。先人の遺徳を受け継ぎ、末代まで守ってほしい」などと述べた。

 中勝公民館に移動。碇山和宏教育長が「大島信の功績と足跡紹介」をテーマに講演した後、ひ孫の彰氏、大島まり氏が講演。懇談会では島唄、八月踊りなど披露した。