徳之島愛ランド広域連合

伊仙町西目手久であっだ徳之島愛ランド広域連合の住民説明会=26日夜、同集落公民館

「全島民の問題と考え共有を」
ごみ処理問題 西目手久で住民説明会

 【徳之島】徳之島愛ランド広域連合(高岡秀規連合長)は26日夜、当初計画の「耐用年数15年」を迎え経年劣化している3町のごみ焼却施設「徳之島愛ランドクリーンセンター」(伊仙町西目手久)に関する第2回住民説明会を開催。現有施設の延命補修か、リサイクルを含め移転新設かなど同施設整備基本構想策定検討委員会設置(10月11日)などの経緯を報告。住民側は「集落の合意形成」に基づく構想の推進も求めた。

 同ごみ焼却施設は2003年3月、総事業費約61億9100万円で完成。当初見込みの耐用年数「15年」を経た。広域連合側は、焼却灰最終埋立て処分場の使用率が「60%」であることや3町の財政状況などを考慮して延命整備を決定。それに対し設置地区の西目手久集落住民たちからは「合意形成がない」など指摘が。連合側は、同方針を白紙化するとともに、学識経験者や住民代表などからなる同施設整備基本構想策定検討委(委員長・小原幸三鹿児島大名誉教授、13委員)を立ち上げ、2年後の答申を目指し検討をスタート。連合側は「説明不足」など指摘の反省に立ち、住民説明会を密に開く方針も決めていた。

 西目手久公民館であった第2回住民説明会には住民や正・副連合長(3町長)など関係者約50人が参加。事務局側が第1回説明会(4月5日)以降の経過を報告したほか、住民代表(集落区長)からは「施設周辺住民の新たな合意形成」「地域を活性化できる戦略」などに関して住民独自の検討委を設置したことの報告も。

 住民の意見・要望例として「建設時の地域住民との約束の履行」▽15年経過後は他町に移転▽付帯施設=廃熱利用の温水プール・研修施設・周囲の公園化など▽目手久地区からの優先雇用など▽水質検査の徹底や地域特約―などを求める意見があったことも紹介した。

 事務局報告への質疑で住民側は、施設敷地内の粗大ごみ野積みの解消、不法投棄の防止対策なども要望。ちなみに経年劣化が進む現施設の精密機能検査の結果などから、延命補修の場合の費用総額は「30数億円余」という。

 地元住民の立場でもある基本構想策定委の小原委員長は、固形燃料化リサイクル処理を決断した北海道・倶知安(くっちゃん)町の経済効果例も紹介。「廃棄物は、使えば資源、使わなければごみ。今をどうして次はどうするか。基本構想は島全体の問題として考えて共有する必要がある」と呼び掛けた。

 住民からは「過去(施設建設に)賛成した人、反対した人も関係なく、全ての住民が説明会に参加すべき。現状をどうすべきかを全住民で決めていくべきだ」との強い主張もあった。