参加者らは地図を見ながらコース沿道の魅力あるスポットを提案しあった
県自然遺産登録推進室は27、28日、瀬戸内町内3カ所で「世界自然遺産奄美トレイルコース選定ワークショップ」を開いた。28日に篠川地区振興センターであった本島部(西方地区)第2回のワークショップでは、管鈍―西古見コースと、篠川・花天コースについて協議。マップに掲載する沿道のスポットなどを出し合い、コース名などを話し合った。
同トレイルは奄美大島と徳之島の世界自然遺産登録に向け、整備を進める群島内を結ぶ長距離の遊歩道。市町村単位でのコース選定を進めるが、瀬戸内町は面積が広いため、島嶼=しょ=部と、本島部(東西2地域)に分けて選定。同町では2019年度冬ごろにマップ完成と開通を予定している。島嶼部は初回、本島部2地域は第2回のワークショップだった。
この日、西方地区のワークショップには住民ら約15人が参加。九州自然歩道フォーラムの野元尚巳代表が、自身のトレイル経験を紹介し、「景観も大切だが、人との出会いが大切。非日常を楽しむトレイル客への声掛けもおもてなしの一つだ」と語った。
参加者は今年8月の第1回ワークショップで挙がった意見を基に作成された2コースについて、班ごとに協議。各コースの沿道にある名所や観光資源を地図にプロット。管鈍―西古見コースでは、「三連立神」を軸に、西古見観測所跡、曽津高崎、管鈍集落の景観などのマップ掲載を提案。コース名を「ネリヤカナヤへと続く西のはての立神ロード」とした。
篠川―花天コースについては▽薩川湾、久慈湾の穏やかさ▽近大マグロなどの養殖業▽久慈の戦跡や近代遺跡などの魅力を列挙。静寂と海の美しさをコンセプトに「静寂・浪漫コース」と名付けた。
同推進室の前田尚大技術主査は「歩く人の心情もおもんぱかった素晴らしい意見が出た。今回出た意見を踏まえ、県と町で協議を進めコースを選定する」とした。
この日参加した、篠川集落の叶辰郎さん(66)は「住んでいると、当たり前に見ているものなので、魅力が分からず悩んでしまった。Iターンの人などが魅力を提案しているのを聞き、感心した」と語った。