外来種の脅威学びアメリカハマグルマ駆除

外来種の脅威学びアメリカハマグルマ駆除

新小勝トンネル横でアメリカハマグルマの駆除活動を実施

奄美野生生物保護センターの千葉さんと牧野さんも駆除活動に参加した

宇検村田検小児童 環境省職員ら出前授業

 宇検村の田検小学校(平島勝彦校長)はこのほど、同校などで環境学習を行った。児童らは環境省職員から、奄美の自然のすばらしさや外来種の脅威など学び、実際に外来種アメリカハマグルマが侵入して繁茂している地点で駆除活動を実施。参加児童らは今後の駆除活動に意欲を見せた。

 同校はこれまでに同村役場などの協力で、メヒルギの植樹活動を実施。昨年度は(公社)国土緑化推進機構の「緑の少年団」に登録し、村内を流れる河内川下流域の湿地帯に約150本を植樹していた。

 環境学習に3、4年の児童ら21人が参加。同省奄美野生生物保護センターの千葉康人上席自然保護官とアクティブレンジャーの牧野孝俊さんが、講師を担当した。

 児童らは、緑の少年団の服装に着替えて会場の開放教室に集合。学習の前に平島校長が「田検小は湯湾岳に近くて、一番自然が豊かな小学校と言える。しっかり勉強して駆除してください」とあいさつ。千葉さんが生きもののスライド写真など使い、奄美の自然の特長や日本の世界自然遺産等を解説した。

 千葉さんは「アマミノクロウサギの交通事故死、希少な動植物の違法採集、外来種など課題がある」と説明。続いて牧野さんがスライド資料で、外来種やその悪影響などをプレゼンした。

 アメリカハマグルマはキク科の多年草で、南米原産で1970年代に沖縄諸島各地に導入。繁殖力が強く在来種に大きな影響があり、緊急対策外来種にリストアップされている。

 牧野さんは、駆除活動について「根を残さないよう抜き取り、根が少しあると再生するのでごみ袋に入れて回収する」などと指示。「今すぐにゼロにできなくても、地道な駆除と観察をしよう」と呼び掛けた。

 その後、児童らは役場のマイクロバスで新小勝トンネル横の旧道に移動。軍手をはめてアメリカハマグルマの繁殖地に入り、根を残さないよう駆除を行った。

 約1時間の作業で、45㍑入りのポリ袋19袋分を回収。トンネル外壁横の敷地で、約15㍍の範囲を駆除した。

 4年生の杉浦天くん(10)は、「生えているのを初めて知った。すぐにはなくならないかも知れないが、今度また機会があれば駆除したい」。3年生の平結愛さん(9)は「きょうの作業で、予定した分を全部取れて良かった」と感想を話した。