瀬戸内町で「博物館がやってきた」

訪れた子どもたちは会場にならんだはく製などの展示品を観察した

展示約5200点に興味津々

 県立博物館(鹿児島市)の移動博物館事業「博物館がやってきた」が6日から、瀬戸内町古仁屋のきゅら島交流館で始まった。同館の収蔵品約5200点が並び、訪れた子どもたちは興味津々な様子で見て回った。入場は無料で、9日まで開かれる。

 同イベントは、同館が「本物に触れ、映像や写真では伝わらないことを感じ取ってもらおう」と、県内離島と、養護学校を会場に毎年開催しているもの。瀬戸内町での開催は2000年度以来、約18年ぶり。会場に運び込まれたコンテナ2個分の収蔵品は、町教育委員会も協力し、1日半かけて所せましと並べられた。

 初日となった6日、午前9時の開館に合わせ、オープニングセレモニーを実施。鎌田愛人町長は集まった子どもたちを前に、「全国、世界各地の展示物が並んでいる。これを機会に奄美の自然・文化の素晴らしさを再認識してほしい」と呼び掛けた。

 この日の午前中には古仁屋中学校の2、3年生と、池地小学校の児童2人らが来館。動物や昆虫の標本、鉱物や化石などの展示を、メモを取りながら見て回った。

 子どもたちは液体窒素を使った実験にも参加。花やゴムボール、風船などが瞬時に凍りつく様子に歓声を上げた。同館の金井賢一学芸主事による奄美群島の成り立ち、奄美大島北部南部の地質の違い、固有種などについての説明もあった。

 同中2年の野内幸大朗君(13)は「はく製などの展示が身近に見られてよかった。イノシシなどは想像より大きく、身近にいることが驚き。興味はなかったが、いつも見ている奄美の自然がすごいものだったということも実感できた」と語った。

 同イベントでは8日午前中に液体窒素を使った実験、同日午後と9日には竹笛作りなどの体験が行われる。