新種のハタの仲間発見

ハタ科魚類の新種を発見し、「アヤメイズハナダイ」と命名(鹿大総合研究博物館の提供写真)

鹿大総合研究博物館 「アヤメイズハナダイ」と命名
学名に前川氏(奄美市)の献名

 鹿児島大学総合研究博物館(本村博之館長・教授)は11日、同博物館と前川水産㈱(奄美市名瀬)による琉球列島の魚類多様性調査の過程で、ハタ科魚類の新種が発見されたと発表した。特異的な色彩から「アヤメイズハナダイ」と命名され、学名の「ブレクトランチアス・マエカワ」は、琉球列島の魚類学に多大な貢献をしている前川水産代表取締役の前川隆則氏(60)に敬意を表し献名したものとしている。同博物館によると、同研究は、日本魚類学会発行の国際誌『Ichthyological Research』に11月29日付で掲載された。

 2016年~17年にかけて体長6㌢ほどの3個体がトカラ列島の水深150~200㍍の岩礁域から釣り上げられ、採集されたもの。当初は、近縁種のフジナハナダイとみられていたが、頭部の骨の形が異なり、背中に赤い網目模様があるなどの特徴から新種と判明した、としている。

 本村教授は「採集された3個体とも新種。深い水深の所で採集されており、広く分布しているのではないか」と話した。

 自身の名が新種の魚の学名に採用されたことについて前川氏は「素直にうれしく思う」と述べた。また、「見たことがない魚、変わった魚やイセエビを名瀬漁協揚げ場で見かけたり、店に持ち込まれたりした場合、知り合いがいる大学、水族館、博物館、水産研究所などへ送って調べてもらっている。かなりの数を送った」と話した。

 鹿大総合研究博物館は、調査を継続しており、来年2月に調査の成果の一部をまとめた『奄美群島の魚類図鑑』の出版を予定している。