徳之島部会

来年2月の世界自然遺産登録再推薦へ「具体的行動」の要望も(徳之島部会)=13日、天城町役場

「駆除予算化、具体的行動を」
世界自然遺産再推薦で 外来植物対策の要望も

 【徳之島】「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産候補地」地域連絡会の徳之島部会(県主催)が13日、天城町役場であった。環境省側が、国際自然保護連合(IUCN)評価書への対応やユネスコ(国連教育科学文化機関)への推薦書再提出に向けた包括的管理計画の修正方針を説明。自然保護団体からは、侵入・定着している侵略的外来植物の駆除費の予算化や実効ある具体的行動の要望もあった。

 国・県や3町行政、自然保護・観光団体の代表ら関係者約20人が出席。環境省那覇自然環境事務所の速水香奈国立公園企画官が、今年5月に「登録延期」勧告を行ったIUCN評価書への対応と、来年2月の推薦書再提出に向けた包括的管理計画の修正方針(案)などを説明。

 「徳之島」に限定した国・県・3町の対応方針には、「南北に分断された推薦区域の間における動物の移動状況などに関する継続的なモニタリング体制の構築。南北の接続性に関する将来構想の検討」や「(徳之島町の)山クビリ線における利用ルールの導入」。奄美大島共通では、アマミノクロウサギなどの「交通事故が多発する場所と同付近への看板や減速帯の増設」なども盛り込んでいる。

 同島の「再推薦における推薦地と緩衝地帯(案)」では、①天城町三京林道(緩衝地帯)を「推薦地」に編入(奄美群島国立公園・特別保護地区格上げ検討)②徳之島町旭ケ丘―大原線間の国有林(一部私有地)を「緩衝地帯」に編入する方針も提示した。

 ほか、包括的管理計画では「適切な観光管理の実現」に関するエコツーリズムのあり方、フィールドごとの利用ルール・制限の設定、認定・登録ガイドと人材育成―など、特に「観光活用面」の方針を強化している。

 質疑の「継続的モニタリング調査」に関し、速水国立公園企画官は「継続的な予算措置も必要。項目ごとに国・県・市町村の担当もあると思う」。推薦地域外での希少野生動物の交通事故対策に、自然保護官は「多発区間は看板を設置」。アメリカハマグルマなど既侵入の外来植物対策で自然保護団体代表は「特定外来種に指定。予算措置があってこそ駆除もできる」。県側には管理計画に沿った「具体的な行動がないと〝絵に描いた餅〟になる」と迅速な行動も要望した。

 奄美大島部会は14日午前9時半から奄美市住用公民館である。