ミニチュアを置いて空間把握を学ぶ生徒と周囲で見守る教諭
創造性の喚起、見入る
大島高校で研究授業
県高等学校教育研究会書道部会(西博文会長)は13日、奄美市名瀬の県立大島高校(竹井俊久校長、生徒756人)で研究授業を開いた。1年生の芸術科書道Ⅰで、短歌を散らし書きにした「不均等の美」の表現学習を公開。来島した担当教諭は、スマートフォンを使った資料配布やミニチュアを使った配置など、創造性を喚起するやり取りを見入った。
担当教員の資質向上を目的に開催。県内の書道担当の教諭24人が立ち会った。
同校の池田光麿教諭は、仮名の書「高野切第三種」の作品を題材に、散らし書きを授業。句ごとに分け、横長の台紙にどのように配置して、書き出すかを指導した。
作品の画像データを生徒のスマホに送信し、生徒はテーマの文面を確認。木や岩に見立てた紙製のミニチュアをシートに置かせ空間の「不均等な」散らし方を把握させた後、生徒は思い思いに句を散らし筆で書き上げた。
泉優花さんは「わざと並びをくずして空間を入れている。昔の人の想像力の表現がおもしろい」と述べた。
池田教諭は「間で遊ぶ『雅』な感覚は日本人ならでは。間を楽しむことは、これからの人生でも生かせると思う」と結んだ。
学習の取り組みや生徒同士で意見を交わす様子を担当教諭らは確認。授業後は構成を評価し、改善点などを探る意見交換があった。