自主ルールの試行開始を決めた奄美大島利用適正化連絡会議
県自然保護課などは25日、金作原の保護と利用のあり方を検討する2018年度「第1回奄美大島利用適正化連絡会議」を奄美市名瀬の県大島支庁会議室で開いた。ガイド関係団体や観光業者、関係行政機関ら約40人が参加し、金作原の適正利用化に向けたルールづくりを協議。「ガイドの同行」や「車両台数・人数の調整」などを求める規則を設けた案を了承し、関係者の試行的なルール導入に合意した。開始は2019年2月27日から。当面、拘束力は設けない。
会議は、世界自然遺産登録に伴う観光客の増加を見据え、金作原の利用適正化を目指すもの。この日は、昨年2月の実証実験をもとに、中長期展望を含む試行案を同課が作成し提出した。
案は、「ガイドの同行」や「車両台数・人数の調整」などの指標を示した上で、初期は罰則や拘束力を持たない自主ルールでの運用を提案。中長期的には、法令による規制も視野に入れ、試行動向を確認しながらルール強化を目指す。
具体的には、利用者の車両1台につき認定ガイド1名を必要とし、ガイド1人あたりの案内人数を15人以下に設定。バス客などは、可能な限り知名瀬三叉路での、ガイド車両への乗り換えを推奨する。
入込数の調整に向けては、認定ガイド車両の同時間帯の利用台数を8台以下とし、バスは2台以下、1回あたり120分以内を目安に調整。最終的には知名瀬三叉路に駐車場を設け、認定ガイドのみが金作原ゲート以奥を案内できるように法や条例の制定を目指す。
会議では「自然を守るためには、厳しいルールを適用すべき」「ガイドの窓口設立を」など意見もあったが、同案を了承。来年2月から実施の方向で同意した。
同課奄美世界自然登録推進室・大西千代子室長は「当面は(関係機関が)方向性を共有する段階。運用が始まれば必ず不具合もあるはず」と指摘。今後についてはは「試行状況を確認しながら関係者と意見を交換し、本格ルールを作りたい」と話した。
なおツアーバスのルール適用に関しては、既に来年2月以降の商品販売を開始しており、認定ガイドの同行は推奨に留め、19年10月以降、必要条件としてガイドの同行を適用することで了承した。