51年の歴史に幕、議場の閉場式も

51年の歴史に幕、議場の閉場式も

新庁舎建設に伴い、これまでの歴史に幕を閉じた議場。本会議終了後に、閉場式が執り行われ、51年の歴史に思いをはせた

奄美市議会最終本会議
消費税増税中止陳情は不採択

奄美市議会は26日、12月定例会最終本会議を開き、2018年度一般会計補正予算案(第5号)などの議案14件、発議案3件を可決。国に対し「消費税増税中止を求める意見書」の提出を求める陳情を不採択とした。新庁舎の建設に伴い、51年間に渡り議論が交わされてきた同議場が閉場となり、議会終了後には式も開かれた。

18年度一般会計補正予算(第5号)、市長および副市長の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定について、﨑田信正議員(共産)が反対討論に立った。

﨑田議員は「職員給与と違い、市長・副市長・教育長、および議員報酬は、人事院勧告による職員給与の増減とは区別することが必要。2年連続で期末手当を増額しようとする本議案は時期尚早であり、予算を計上した第5号についても認められない」などと意見。採決の結果、賛成多数でこれらを可決した。

国に対し「消費税増税中止を求める意見書」の提出を求める陳情に関し、採択に賛成の立場で討論に立った﨑田議員は、「財政再建に抜本的な対策は必要だが、貧富の差をより拡大する消費税増税ではない」、「大企業富裕層に大分の負担を求めることで消費税増税分の財源を十分生み出すことができる」などと訴えた。採決の結果、賛成少数で不採択となった。

指定管理者の指定についての議案3件を可決。決定した管理者は次の通り。

▽地と知の交流拠点施設=奄美地区地と知の交流館運営協議会▽屋仁川駐車場=㈱まちづくり奄美▽奄美体験交流館=NPO法人健康ど宝

「和瀬バイパス国道58号奄美市住用町城地区の早期供用開始に関する意見書の提出について」など発議案3件を可決した。
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 現在、新庁舎の建設が進められており、来年2月から、順次機能移転が始まる見込み。12月定例会最終日の同日、議会終了後には、閉場式が開かれた。例年恒例ともなっている大島紬姿で出席した議員、当局らはこれまでの活動に思いをはせ、議場が51年の歴史に幕を閉じた。

閉場式にあたり、師玉敏代議長が、「その長い歴史に幕を閉じることになるが、歴史の一部始終を見守り続けた議場に心から敬意と感謝を申し上げるとともに、新庁舎においても、更なる市発展のため取り組んでいきたい」とあいさつ。

続いて、朝山毅市長は「本市の発展と共に、歴史を刻んできた議場が閉場することは名残惜しい。長きに渡り、議会の皆さんが残されてきた功績に敬意を表し、今後ますますの活躍を祈念する」などと述べた。

議場は、1967年(昭和42年)に旧名瀬市の議会議場として完成。2006年(平成18年)からは、旧住用村、笠利町との合併に伴い、奄美市の議場として、これまで51年間の歴史を刻んだ。計436人の議員が誕生し、白熱した議論が繰り広げられてきた。