糖度の面では前期産より良好なサトウキビが続々と搬入
奄美市笠利町の富国製糖㈱奄美事業所(有村成生社長、勢幸一事業所長)は9日、2018/19年期の操業を開始した。初日は原料搬入式と製糖開始式を行い、参加者らは円滑な原料搬入、製糖や安全操業の徹底を祈願。同事業所は登熟も進み糖度も昨年より上昇しており、減産の影響を緩和できるのでないかと期待する。これで群島内の大型製糖工場の全てが操業開始となった。
今期産サトウキビは昨年8月まで順調に生育したが、その後の台風19号、24号でほ場が乱倒伏するなど大きな被害を受け、生産量は前期比約4600㌧減の2万4千㌧(奄美市笠利町=2万2300㌧、龍郷町=1300㌧、同市名瀬=240㌧、宇検村=160㌧)を見込んでいる。製糖期間は4月2日までの84日間を予定している。
有村社長は今期産のサトウキビが台風被害などで約4600㌧の減収見込みとなったことに触れ、「生産量は率にして16%減収となるが、昨年12月15日のブリックス調査では前期比、2・9度高い結果で品質面は良好になるのでないか。単収向上と品質向上がいかに重要かを認識して、来期への取り組みをしっかりして増産に努めてほしい」とあいさつ。奄美市の朝山毅市長や龍郷町の竹田泰典町長(代読)なども、それぞれ激励の言葉で安全操業を祈願した。
同事業所によると、初日の原料搬入量は311㌧。平均甘しゃ糖度は13・9度(前期比0・9度増)で、最高糖度は16・6度(同1度増)、最低糖度は10・9度(同1・3度増)。同事業所の中山正芳次長は、「糖度は前期より上がり、平年並みに回復。葉の形成で光合成が進み、年末年始の気候も平年と変わらず登熟が進んだとみられる」と語った。
昨年末に操業開始した南西糖業では登熟の回復遅れが見られたが、今月9日再開分の糖度は伊仙工場12・41度、徳和瀬工場11・99度と昨年末より上昇傾向。同社担当者は「昨年末の時点では両工場とも平均は12度を下回っていたが、再開分は回復していた。今後も上昇していくのでないか」と話した。