中学生2人がマグロ捕獲!

中学生2人がマグロ捕獲!

大きなマグロを捕獲した赤木名中学校3年生の碇山君(右)と山下君(左)=県大島支庁提供

素手で奮闘、近隣住民らに振る舞い
養殖場から逃げ出したものか
「宝くじ当たったような運」

 奄美市笠利町の赤木名中学校の3年生の生徒2人が8日、同町赤木名海岸で体長174㌢、重さ97・4㌔という巨大なマグロを素手で捕獲した。マグロは奄美漁協に運び込まれた後、2人に引き渡され、近隣住民などに振る舞われたという。2人は「宝くじが当たったような運の良さ。めでたいことがあったので、この勢いで高校受験の合格も目指す」と話した。

 マグロを捕獲したのは3年生の碇山聖純君(14)と山下直斗君(15)の2人。同日昼過ぎ、2人が海岸に向かうと、近隣の小学生らが「サメが出た」と騒いでいる場面に遭遇した。確認しようと碇山君が浜に下りると、浅瀬にいたのは大きなマグロ。目の前の“お宝”をなんとか我がものにしようという2人の奮闘は始まった。

 まずは碇山君1人でズボンをまくり上げ、マグロ捕獲にチャレンジ。道具もなく、素手での捕獲となったため、重さに耐えきれず断念した。すぐに山下君を呼び寄せ、再度挑戦。体にぬめりがあり運搬は難航したが、2人は「絶対に持ち帰って食べる」という一心で諦めなかった。

 海岸にあったロープを尻尾にくくり付け、引っ張る方法を取り、約1時間の格闘の末、無事マグロを岸まで引き上げた。この後近くの小学生らや漁業者の協力を得て、奄美漁協に運び込み計量。この時対応した同漁協職員も「びっくりした」と驚く他ない様子で語った。

 漁協から県大島支庁に届け出た後、引き上げたお宝は2人の元に返された。近くの居酒屋に解体してもらい、日頃お世話になっている近隣住民など約20人に切り身にして配り歩いたという。

 碇山君は「バター焼きとからあげにして食べた。ここ2日間はマグロばかりで、ぜいたくな話だが飽きてきた」と苦笑。山下君は「焼いてオリーブオイルをかけて食べた。おばあちゃんにおすそ分けしたが、何度も電話がかかってくるほど喜んでいた」と語った。

 県大島支庁林務水産課担当者は「今回のマグロはクロマグロ。クロマグロは奄美群島沿岸、近海で釣れることはめったにない。おそらくは奄美大島内で養殖されているものが逃げ出したのではないか」と推測している。