青森の道場、奄美に出稽古

青森の道場、奄美に出稽古

青森県から鯵ケ沢相撲練成館丹代道場が出稽古で奄美大島を訪れた。島内の相撲クラブと申し合いで汗を流した(道場仲間と奄美の選手との一番を見守る、丹代道場の児童ら=右奥4人=)

 

「相撲強さの秘訣学びたい」
地元の児童と申し合いで汗

 

 相撲が盛んな奄美で強さの秘訣を学ぼうと、青森県の鯵ヶ沢=あじがさわ=相撲練成館丹代=たんだい=道場(齋藤孝夫館長)=西津軽郡鯵ヶ沢町=が出稽古に訪れた。道場に所属する5人は、奄美大島島内の相撲クラブの部員らと申し合いなどで汗を流した。一番一番の取組に指導者たちからも熱視線が注がれ、児童らはアドバイスを受けながらそれぞれの課題を探った。

 奄美と同様に、青森県も相撲が盛んな地域。同道場からも、安美錦関など著名力士を輩出している。出稽古は道場の発足以来、今回が初めてだという。

 関係者によると、昨年開催された二つの全国大会で、同道場の選手が、準決勝と決勝でいずれも奄美の選手に敗れたことから、現地の稽古に触れ強さの秘訣を学ぼうと企画されたという。

 出稽古には、三浦孝太君(小5)、赤石琥多郎君(同)、田附昴君(小4)、小笠原広祐君(同)、赤石瑠愛さん(小2)の部員5人が参加。齋藤館長らの引率のもと一行は、2泊3日の日程で10日に来島した。

 2日目の11日は、住用相撲クラブと瀬戸内相撲クラブの2クラブと合同稽古。奄美市住用町の奄美体験交流館には、三つのクラブに所属する児童約30人が集まった。

 稽古は同学年同士などで行う申し合いを中心に、児童らがかわるがわる土俵に上がり、真剣勝負を展開。3クラブの指導者らも一番一番の取組に熱視線を注ぎ、アドバイスを送った。その後5人は、中学生の胸を借りたぶつかり稽古も行った。

 同道場キャプテンの三浦君は「小さい子ども最後まで諦めず相撲を取っていた。戻ってからは、前に出る相撲で勝てるよう技を磨きたい」と抱負。

 瀬戸内相撲クラブの重村鴻之介君(小4)は「相撲の取り方が上手かった。頭を付けた相撲を上達させたい」、住用相撲クラブの俵幸平君(小5)も「技が上手い。技をかけられても耐えられる稽古を」と課題克服へ意欲を語った。

 同道場の齋藤館長は「奄美は昔からレベルが高く、相撲の盛んなところ。奄美の子どもは厳しさがあり、強かった。人数も多く、いろいろな児童が相手になり、良い練習になった」と出稽古の収穫を挙げた。

 奄美の各指導者は「相撲どころの青森県の子どもとの練習は、良い経験に」(瀬戸内相撲クラブ重村一人監督)、「全国レベルの生徒とも練習でき、大会に向けて良い稽古ができた」(住用相撲クラブ森田次郎監督)とそれぞれ手応えを語った。