大島紬着用率がもっとも高かった奄美市笠利の成人式(今年1月3日)
本場奄美大島紬協同組合(前田豊成理事長)は11日までに、奄美群島12市町村14地区(奄美市は名瀬、住用、笠利の3地区)の2019年成人式紬着用率をまとめた。それによると、奄美全体の着用率は前年を4・6ポイント上回る23・1%となった。奄美市名瀬では昨年の着用者数が昨年の約2倍となった。
同組合は奄美群島で開かれる成人式(2~4日)で例年、新成人の大島紬着用率調査を実施。各自治体に依頼し、着物着用のほか、大島紬を利用した羽織、ジャケットなども着用者としてカウントしている。集計表によると今年は奄美全体で、男性529人、女性542人の計1071人が各地区の成人式に出席。そのうち紬着用者は男性129人、女性118人の計247人だった。
地区別の着用率みると、最も高かった笠利地区(奄美市)が前年87・5%から7・1ポイント下がり80・4%。7年連続トップとなった。男女別でも男性67・9%、女性100%で、いずれも群島内で最高だった。
次いで龍郷町64・2%(男65・4%、女63%)、奄美市住用40%(男44・4%、女33・3%)。同市名瀬では39・7%(男43・1%、女36・6%)となり、前年を16・9ポイント上昇。奄美大島のみでみると成人式出席者の4割以上が紬を着用。それ以外の4島ではそれぞれ10%以下だった。
着用者数は同市名瀬133人、同市笠利37人、龍郷町34人となり、上位3地区で全体の8割以上を占めた。着用率・着用数が前年を上回る結果となったことについて前田理事長は、「奄美市と龍郷町の行っている購入費助成制度が一般に浸透してきたからか」と推察。「大島紬は世界に類を見ない“島の宝”。振り袖とは違い、成人式以降も一生着られるので、多くの人に袖を通してもらい、産業全体を元気にできれば」と語った。