遺族から、朝山市長に要望書が提出された
2015年に奄美市内の中学1年生(当時13歳)が自殺した事案で、昨年12月9日に第三者調査委員会作成の報告書が公表されたことなどを受けて、16日、遺族と代理人弁護士が朝山毅市長らを訪れ、7項目にまとめた要望書を提出した。遺族側は「再発防止のために協調的関係を築きつつ、市長にリーダーシップを発揮してもらいたい」という趣旨などを伝え、3月末までの書面による回答、書面交付時の再面談を求めた。
遺族男性(40歳代)と代理人弁護士が朝山毅市長らを訪問し、七つの事項を説明、今後の再発防止に向けた要望を行った。
面談後、遺族と代理弁護士が取材陣に要望について説明。今回に至るまでの経緯の一つとして、市長、副市長、教育長、市教委課長が焼香のため、昨年末に遺族宅を訪れたことを報告した。
その時の対応、また前段階として、第三者調査委員会の調査報告書を受けての市教委のコメントや説明がなかったこと、検証チームの立ち上げに関する直接の説明がなかったことなども踏まえ、「調査委員会の報告を受けての私の考えを伝える必要がある」(遺族男性)と当初からの思いをより強くし、今回の要望に至ったという。
生徒が自殺した背景について、当初、市教委は「不明」としていたが、焼香の際、『不明』から『教職員との関係での悩み』、『教職員からの指導』に修正し報告する旨が伝えられたという。
提出した要望書では、第三者調査報告委員会発表の報告書の内容に関する市長の感想評価、設置予定の検証チームの目的・趣旨、メンバー構成を明かすこと(遺族のメンバー入り要望)、各提言の実行に向けた具体的な計画、報告書を教材とする研修会実施等教育現場での活用―など7項目を求めている。
同席した鈴木穂人代理弁護士は「ご遺族、私も含め学校、教育委員会に不信感をもっている。(面談では)要望の趣旨を説明しながら、任命権者である市長のリーダーシップが必要であることを伝えた」と説明。男性は「要望について、市長に真摯に受け止めてもらったと感じている。まずは現場で向き合い議論しなければ何も始まらない」などと話した。
面談のなかで、3月末までの回答期限ついては「できる限り年度末までには。時間がかかるようなら、適時連絡する」(市長)との回答があったという。
面談を終え、朝山市長は「真摯に受け止め、かかる事案が発生することのない体制づくりなどについても十分に検討しながら、着実に進めていくよう努力していきたい」と話した。
遺族男性と鈴木弁護士は18日、県教育委員会を訪問し、要望書を提出する予定という。