宇検村長選20日投開票

有権者と握手し支持を求める肥後充浩氏


握手して有権者らの支持を求める元山公知氏

村政の「変化」か「継承」か注目

 任期満了に伴う宇検村長選は20日、投票、即日開票される。元村議で新人の肥後充浩氏(63)=湯湾=と、元村議で新人の元山公知氏(48)=田検=(いずれも無所属、届け出順)の2人が立候補し、村を二分する選挙戦を展開。選挙運動最終日の19日、両陣営は村内一円各集落を回り遊説。街頭演説などを精力的に実施し、有権者に最後のアピールを行った。

 肥後氏は昨年9月25日に記者会見して立候補を表明し、1期目半ばで村議を辞職。元田村政の8年間を評価しつつ、「迅速な施策立案と果敢な行動力が問われており、村政に変化の波を起こすために自ら動きたい。村民ファースト」などとアピール。政策面で若者の定住促進対策や世界自然遺産登録を生かす観光ルート整備、子育て支援の推進―などを訴えている。

 19日、肥後氏は午前8時に屋鈍集落から遊説を開始。選挙カーで村内一円支持拡大を訴え奔走した。肥後氏は選挙カーの窓を開け支持者らに、手を振り「村民ファースト」を旨に自身の政策などをアピールするなど街宣活動を行った。

 肥後氏は自身初となる選挙戦について、「手応えは、あまり分からない。村民を信じている。政策論争をしてきたつもり。やれるだけのことはやった」と振り返った。

 後援会の津田浩克幹事長(63)は選挙戦を通じて「肥後候補の役場での35年間と議員の2年間の経験、人脈、知識、能力は評価されていて、村内全域を回り共感を呼んでいる」と述べ、「政策を訴えてきた。共感された票を死守し、勝利を呼び込みたい」と強調した。

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 立候補表明後、元山氏は「元気な村づくりを」をキーワードに、村独自の輸送コスト支援制度創設や観光物産協会の充実などによる経済活性化を軸とした公約を訴えてきた。若さと実行力を武器に、現職・元田信有村長から「和の政治」を引き継ぐとしている。

 19日、元山氏は午前8時に湯湾の選挙事務所を出発し、選挙カーで村内一円を奔走。村内5カ所で個人演説会を開き、午後5時半の同事務所前での演説まで声を出し続けた。

 元山氏は選挙戦を振り返り、「皆さんの支持も拡大し、しっかりとした戦いができている。公約もおおむね伝わった」と手応えを語る。「今まで政治に関心がなかった若者が応援してくれているのを実感する」とも。「元気で力強い村作りを進めたい」と意気込む元山氏は、「選挙戦中は村民一人一人との対話ができなかったが、今後はそれが大切になる。輪を広げ、村民が協力していこうという思いを引き出していければ」と語った。

 街宣に帯同した喜島千秋後援会長は「終盤戦は特に風がこちらに吹いていると感じた」と手応えを実感。また、「芦検集落などの中心部の動員数が特に多かった」と地区ごとの様子を振り返った。

 投票は、20日午前7~午後6時まで。役場会議室など村内4カ所で一斉に投票。午後8時から村元気の出る館で即日開票される。

 村選挙管理委員会によると、中間発表はなく最終結果の発表のみ。大勢が判明するのは午後9時ごろの見込み。投票となった8年前の前々回選の投票率は96・43%だった。

 14日現在の選挙人名簿登録者数は1515人(男731人、女784人)。