調理器具内から見つかった、変形した清掃用霧吹き
奄美市名瀬朝戸の同市立学校給食センターが24日、市内の小学校に配送した給食の副食(ハンダマのゴマ和え)をつくった調理器具から、熱で変形したプラスチック容器が見つかったとして、該当校で副食計2281食分が配膳できなかったことが25日わかった。同センターが、配送後にメニューの配膳を取りやめたのは初めて。同センターによると児童や教職員への影響はなかったが、奄美新聞の取材で「給食異物混入対応マニュアル」が策定中だったことも明らかとなり、今後の対応が急がれている。
同センターは昨年9月に稼動開始。調理職員は1日約40人が勤務する。同市名瀬・住用地区の小・中学校18校に給食3715食を一括提供し、24日の小学校向け献立はゴマ和えのほか、島豚とパパイアの卵とじ丼(麦飯)、牛乳、一口黒糖だった。
同日の正午前、調理職員がゴマ和えを加熱調理したスチーム器具内部から変形したプラスチック製の霧吹き(推定高さ約20㌢)1個を発見。各校の給食はすでに配送済みだったという。
同センターでの検食は同日午前11時半ごろ。異臭や異物などは感じられなかったが、報告を受け、学校側に「異物混入の恐れ」を緊急連絡したという。
ゴマ和えはトレイ加熱されるため、直接この容器に食材は触れていないが、つくられたゴマ和えの配送先7小学校(名瀬、奄美、伊津部、朝日、小宿、小湊、知根)では副食が欠品する事態となった。
保護者からは説明不足を指摘する声が相次いでいる。欠品した小学校に通う子どもの保護者は「子どもから(献立の一部が)出なかったと聞いたが、学校から連絡がない(25日午後6時現在)。一括調理のデメリットが現れた結果で、欠品時のフォローが必要では」と指摘した。
今回のケースについて、同センターは、調理器具を前日に清掃した際、道具の置き忘れと調理時の熱風での変形を説明。容器内には洗浄剤が残っていた可能性もあるという。
龍和隆所長は「管理徹底を指導し、再発防止に努めたい。保護者、関係者に不安を与え、申し訳ない」と陳謝。献立の未提供分については補充などを検討し、保護者への通知文配布については「部内で協議したい」とした。