猫の正しい飼い方理解

奄美哺乳類研究会が猫の適正飼養呼び掛ける出前授業を行った

龍郷小で出前授業 行動圏調査データも紹介
奄美哺乳類研

 奄美哺乳類研究会(阿部優子会長)は25日、龍郷町の龍郷小学校(橋口俊崇校長)で猫の適正飼養などに関する環境教育出前授業を行った。児童に奄美大島の固有種や自然の貴重さ、ノネコやノラネコが起こす問題などについて講話。講師が飼い猫の適正飼養を解説し、龍郷集落などで調べたノラネコの行動圏のデータも紹介された

 出前授業の講師を同研究会の永江直志さんと、奄美猫部の久野優子部長が担当。環境保全団体WWF(世界自然保護基金)ジャパンの支援を受けて、同校の全児童26人に、出前授業が実施された。

 授業の導入部に、永江さんが奄美の固有種のミニチュア模型を児童らに見せて、何か当てるクイズを質問。クイズの後に、「奄美の自然は何百年以上も、食物連鎖のバランスが保たれて貴重な生き物が生き残っている」「マングースが減ってきたが、ノネコの問題が出て来た」などと話した。

 同研究会がWWFとの共同研究で、同町の龍郷と安木屋場の2集落で取り組んでいるGPS(衛星測位システム)を利用した放し飼いの猫・ノラネコの行動圏調査の結果も一部紹介。龍郷集落にいる放し飼いの猫やノラネコが、山に入ったり2㌔以上離れた番屋まで移動していることが明らかになったという。

 続いて猫の適正飼養や、生態などを久野さんが解説。猫の身体的特徴を「毛や体が軟らかく、目と耳と鼻が良くて、高い所に移動するのが得意。素早く動くのが特徴」とした。

 ノラネコが増えないようにするTNR(わなで捕まえ不妊手術して放す)事業も紹介。「猫は家で飼われることが幸せ。ネコ問題の解決に向けよく考えて、人間も猫も幸せになる奄美大島を目指そう」と語った。

 4年の川口大海=たいが=くんは、「集落でもTNRされたノラネコをよく見る。猫は家で飼うことが幸せと分かり、正しく飼いたい」と話した。