喜界馬歓迎セレモニー

喜界馬として飼育されるグラッシーの引き渡し式

飼育にあたるグローリーファーム牧場の栄常光さん夫妻

一世紀ぶりの里帰り
十島村寄贈 復活させ活用へ

 喜界町は24日、同町伊実久のグローリーファーム牧場(栄常光=つねてる=代表)で「喜界馬(トカラ馬)歓迎セレモニー」を開催した。十島村からトカラ馬メス1頭の寄贈を受け同牧場で飼育し、喜界馬として復活させ教育面、アニマルセラピーなどでの活用を考えているという。

 喜界馬の復活は地方創生事業の一環で、現在は喜界島には存在しなくなっている喜界馬を導入するもの。十島村の中之島に放牧されていた喜界馬がルーツになるトカラ馬1頭(名前:グラッシー、メス、2歳)が、十島村から寄贈された。グラッシーは、人間にすれば10歳ぐらいだという。

 喜界馬は西洋種の影響を受けていない小型の在来種で、鹿児島県の天然記念物にも指定されている。1897年ごろ喜界島から宝島に移入され、戦後になりトカラ馬と呼ばれるようになったとされている。今回の寄贈が、約一世紀振りの里帰りとなった。

 十島村は喜界島と縁が深い。喜界島からの入植者も多く、かつて小野津出身の文園彰氏が村長となり、トカラ各島と鹿児島の定期船を就航させている。

 セレモニーは川島健勇喜界町長、有村孝一十島村教育長のあいさつの後、両者によるグラッシーの引き渡し式が行われた。今後は同牧場で飼育される。

 町企画観光課の富充弘課長は「地方創生事業の一環で、喜界馬の復活ということで導入。子どもたちの教育、障がい者のセラピー、観光などに活用出来たらいい。今後はオスも導入し増やして種の保存を企画したい」と話した。

 飼育にあたる栄代表は「これから毎日調教、飼育をやっていく。歩行訓練、ヘイキューブやフスマ、水などの給与。ブラシ掛けや蹄の手入れなど。町民に親しまれるようにしたい」と話した。