人手不足=離職多い

人手不足=離職多い

「相談支援包括化推進会議」のしごと部会が初会合を開いた(瀬戸内町役場内)

瀬戸内町・支援包括推進会議 しごと部会が初会合

 共生社会の実現を目指そうと、瀬戸内町内の行政や様々な分野・機関でつくる「相談支援包括化推進会議」は29日、町役場会議室で新設した「しごと部会」の初会合を開いた。参加者は就職や雇用に関する地元の現状と課題を共有し、将来に向けた支援のあり方について意見を交わした。

 推進会議は同町と県大島支庁瀬戸内事務所の協働による「チームせとうち〝我が事・丸ごと〟支え愛」事業の一環。福祉や雇用など複雑化した課題に対し包括的に受け止め、支援策を協議する体制づくりを進めるものだ。

 すでに、暮らしに寄り添う支援に「相談支援部会」、住まいの安心確保の支援に「住まい部会」をそれぞれ設置。同日新設された「しごと部会」では一人ひとりに応じた「働き」について、雇用創出や人材育成などの支援を検討していくという。

 この日は行政のほか、医療保健や教育、建設業、福祉(介護、障がい、高齢者)―の関係事業所から約50人が参加。鎌田愛人町長は「事業所と求職者がウィンウィンとなれる体制構築に努めたい」とあいさつした。

 各業界の現状報告では、「防衛省関係で仕事はあるが、人手不足が慢性化」(建設業)、「島外だけでなく地元就職も重視。3月に就職ガイダンスを計画している」(古仁屋高校)。そのほか障がい者就労について事業所向け支援制度、介護てつだい隊事業など福祉分野の取り組みなどが紹介されたが、厳しい雇用情勢が続いているとした。

 同部会のアドバイザー役として、来島したA‘ワーク創造館(大阪地域職業訓練センター)の西岡正次就労支援室長は雇用した人材の定着を図るため、事業所側の意識改革を指摘。求人を受け入れる環境の見直しを挙げた。

 求人者について低賃金やメンタル、孤立した生活など問題を抱えた「生活困窮者」と位置づけ、その状況を踏まえた勤労支援を強調。西岡さんは「人手不足は、そこでの離職が多いということ。雇用の際、求人者の強みを把握することで慢性的な問題が解決する糸口になる」と結んだ。

 同日午後は、同町きゅら島交流館で就労支援セミナーを開催。一般を含め約80人が参加した。