新執行部を紹介する勝光重幹事長(中央)、右端が大江修造会長
来賓としてあいさつする、銀座もとじ代表取締役社長・泉二弘明さん
【東京】東京奄美会(大江修造会長、勝光重幹事長)はこのほど、台東区の上野精養軒で2019年新年賀詞交歓会を開いた。大島紬の着物や紬をデザインした洋装の女性らが華やいだ雰囲気を醸し出す会場には、来賓や会員ら約400人が笑顔で参加し島口を交わしながら交流。「130周年に向けて、ともに頑張ろう」と絆を深めていた。
郷土遙拝、昭和音楽大学の萩原かおりさんと共に全員での会歌斉唱の後、新会長の大江さんが登壇。森眞一前会長や前役員、そして参加者を前に感謝の意を表し「世界自然遺産登録に向けて英知を結集して協力していきたい。新しい時代の変化に対応できるようホームページのなお一層の充実を図りたい」などと抱負を述べた。
新執行部の紹介などの後、来賓として奄美観光大使で銀座もとじ代表取締役社長・泉二弘明さんが着物で登場。「東京と奄美の架け橋になれればと着物に携わってきた。文化、芸術である大島紬をさらに広げていきたい」と語った。
ほかに、天城町の森田弘光町長があいさつした。式典の後は、お待ちかねの懇親会・芸能祭の第2部へ。田中達三顧問の乾杯の後、 奄美会女性部による「奄美サンサン音頭」を皮切りに、各郷友会が競うようにステージを飾った。
ゲストの久永さとみさんによる「スラヨイ黒糖」などおなじみの曲に合わせて踊りだす人たちも各所に出現。飛び入りでセイン・カミュさんのウクレレや林法義さんと青年部による「大島エレジー」も披露され最高潮に。総踊り、英辰次郎顧問の閉会の辞、万歳三唱で宴はフィナーレとなった。
東京奄美会女性部長になった五十嵐さん=上野精養軒で
「あなたに決まりましたよ」と与論出身の五十嵐千代さんに選任選考委員から連絡があった。実は何度も請われながら、兄弟の看病のために女性部長を断り続けてきた副部長だ。
東京奄美会の女性部会員は、この会に7千円も会費を払いながら、出演演目が相次いで休む間がないという。五十嵐さんはこの状況を打破したいと考えている。「毎年、踊りを出すのは大変と負担を感じている集落もある。これからは出演演目も減らして、一年ごとに出るような形にして女性部も座って見られるようにしたい」と抱負を語る。
多くの女性部を束ねるのは紙ベースのFAXもあるが、スマートフォンアプリのLINEだという。勝幹事長らともつながる。新しい時代の作戦方法だ。
出身の与論の母方は、琉球王に歴代仕えてきた朝戸の按司根津栄神社を守り続ける由緒ある生まれ。今は甥っ子が引き継いでいる。
去年亡くなった佐藤持久東京奄美会参与が生きていたら、きっと喜んでくれたはず。「与論音頭」を来年は披露するために頑張るつもりだ。五十嵐さんは「佐藤さんの遺言だったから」と意欲を見せる。