伊仙町で春植え出発式

相次ぐ台風被害を乗り越え、「増産」への春植え推進目標の達成を決意=30日、伊仙町役場

新植でキビ増産を
目標必達を決意

 【徳之島】伊仙町糖業振興会(会長・大久保明町長)主催の2019年サトウキビ春植え推進出発式が30日朝、同町役場玄関前であった。相次ぐ台風被害で今期産も買い入れ糖度、単収ともに伸び悩みが指摘される中、国のセーフティネット基金(増産基金)も活用した「目標面積300㌶」の達成を誓い合った。徳之島3町では計950㌶を掲げている。

 関係機関・団体や生産者代表ら約50人が、「増産」の横断幕やのぼり旗を掲げて参加。大久保町長は「2期連続の台風被害で苦しい中、セーフティネット基金の発動で明るい希望を持った。歴史的に、明治維新にも多大な貢献をしたサトウキビを今後も一致団結して伸ばそう」などとアピール。

 南西糖業㈱の新美薫専務取締役(徳之島事業本部長)は、前期産に次ぐ台風被害で糖度が低迷、単収も想定より低く、生産見込み量16万㌧を大きく割り込むのではと懸念。台風など気象災害、高齢化・労働力不足など不安に加え「南西糖業の2工場を維持するためには、最低でも年間18万㌧以上の原料が必要。そのためにも新植(春植え)目標の達成を」とあらためて要望。

 県農業開発総合センター徳之島支場の宮路克彦支場長は「生産農家の高齢化・労働力不足など社会環境や台風の大型化など変化が続く中で、基幹作物の生産・経営安定には作型のバランスも大事」。省力型管理作業機「スクープ」の共同開発にもふれ、「関係機関・生産者一体でキビの持続的な拡大を」と期待した。

 目標突破への「がんばろう」三唱で気勢を上げ、目標面積300㌶の必達を決意した。
 天城町(推進目標面積350㌶)は2月4日午前9時半から町防災センター前で、徳之島町(同300㌶)は7日午前9時から町役場駐車場でそれぞれ出発式を予定している。