31人が参加した「地域を繋ぐ拠点づくりフォーラム」。登壇した国直在住の中村修さん(右)
「地域を繋ぐ拠点づくりフォーラム」(かごしまグリーン・ツーリズム協議会主催)が30日、龍郷町の秋名・幾里地区で開かれた。第1回奄美・龍郷編として開催、31人が参加。最初に秋名・幾里集落を回る現地巡りをした後、秋名コミュニティーセンターでフォーラムを開き、奄美大島在住のNPO法人代表ら3氏を含む4氏が登壇し、それぞれの地域での活性化の取り組み、拠点づくりについて講話した。終了後、懇親会があり交流した。
フォーラムには秋名・幾里集落民、龍郷町役場職員、龍郷町、瀬戸内町、和泊町の各地域おこし協力隊、薩摩川内市職員らが参加した。進行役は、NPO法人頴娃おこそ会の加藤潤さんが務めた。
最初に登壇した村上裕希さん(龍郷町地域おこし協力隊)は、①秋名幾里魅力化プロジェクト②町地域おこし協力隊の活動テーマ③「アラセツ満喫ツアー」(民泊で受け入れ)④昨年11月に設立した一般社団法人Emore秋名の取り組み―など説明。
拠点づくりのポイントについて▽地域外の人々を受け入れる温かい人々▽地域キーマンの老若男女の参加▽住民主体の活動を応援する行政(奄美群島振興交付金のリーディングプロジェクト推進枠を活用して事業を後押し=民泊改修、組織づくり、拠点づくり等)▽育ててくれる外の協力者とのつながり―などを挙げ、「50年後も子どもたちが住みたいと思えるシマであり続けてほしい」と述べた。
ブルー・ツーリズムでトビウオロープ曳き漁業体験など各種体験受け入れを推進している中村修さん(大和村国直在住。NPO法人TAMASU代表)は、「主体は漁業者、農家、伝統芸能技術者などの地域住民。集落一体となった受け入れを目指した」「魚食普及への貢献、加工品作り、所得向上、雇用拡大(1人は常勤雇用)などの成果があった。ゲストハウスを開設した」と説明した。
地域将来像は「若者がいつかは戻りたい、お年寄りがいつまでも住み続けたいと思える地域づくりを目指したい」と話した。
浅尾朱美さん(宇検村在住。とよひかり珈琲店経営、元宇検村地域おこし協力隊)は、起業して気づいた点は「想像以上に自分の時間がないこと」など挙げ、良かった点は①決定権は自分にある②やり方次第でいろんな挑戦ができる③好きなことができる―などを挙げた。逆に苦労したことは「資金調達(特にクラウドファンディング)、空き家改修が大変だった」と振り返った。
福澤知香さん(頴娃町在住。『暮らしの宿・福のや、』経営)は、良かった点は①計画段階から関われた②活動を通して仲間ができた③宿が地域とのつながりをつくってくれた―ことを挙げた。