約7年かけ、親子3代のアマミノクロウサギの生活を追い続け、写真集を出版した勝さん
3世代にわたる家族の姿
勝さん、約7年間かけ撮影
3世代にわたるアマミノクロウサギの生活を追い続けた写真集『写真でつづるアマミノクロウサギの暮らしぶり』がこのほど出版された。写真・文ともに手掛けた奄美自然環境研究会副会長の勝廣光さん(71)は15日、県大島支庁記者クラブで会見を開き、「自然を知るきっかけになってもらえれば」と期待を込めた。
写真集には奄美大島中部の海岸を含む森林で撮影された3世代にわたるアマミノクロウサギの姿を中心に、同島の希少動植物の写真なども収録。掲載写真は勝さんが2011~18年の約7年間かけて撮影したもの。
トレイルカメラ3台、一眼レフ2台による自動撮影や、野営での遠隔撮影などを駆使した。断崖上にある撮影地に週1~2回足を運び、メモリーカードや電池交換などの点検を続けてきたという。11年12月に生まれた子ウサギと、子ウサギの孫にあたる17年12月に生まれた双子の成長の記録を取り続けたほか、オスに向けて放尿するメスの姿など、貴重な光景もカメラに収めた。
会見に同席した同会会長の常田守さん(65)は「知られていなかった世界を教えられた。世代を越えた(クロウサギの)暮らしぶりが写されている。ありとあらゆることを含む本で、これからの奄美が進む道も示されている」と評価した。
勝さんは次回作の出版もすでに視野に入れており、「同じ家族のウサギだけではなく、ほかの家族との関係や、外来種などとの共存について調べていきたい」と話した。
同書は㈱南方新社から、オールカラー全110㌻、定価1800円(税抜き)で島内外の書店で販売されている。