代表作「ガジユータ八月踊り」を演じる出演者たち
谷さんはソロ演技で会場を魅了した
奄美市地域おこし協力隊・谷よう子さんが演出・振付・総合プロデュースなどを務める舞台公演「奄美deアート国際フェスティバル」(同実行委員会主催)が16日、奄美文化センターで開かれた。谷さんの集大成となる舞台に花を添えようと、世界の一流アーティストや島の子どもたちなど約60人が結集し演舞。奄美と世界がひとつの物語をつなぐパフォーマンスで、約700人の観衆を芸術の世界に誘った。
谷さんは、カナダシルクドソレイユ日本人初のプロダンサーとしてキャリアを積み、2016年に同協力隊に就任。「アートを通じて地域を発信したい」を信念に、島の人と共に芸術・舞台活動に取り組んできた。
公演は、今年5月の協力隊の任期を前に、その集大成として実施。世界的パフォーマーや国内のプロ、谷さんを慕う子どもたちや島内アーティストらも参加し、練習を重ねてきた。
舞台は、「奄美」をキーワードに、子どもたちがフィリップ・エマールさん演じる道化師との出会いをきっかけに、不思議体験に引き込まれるという設定。エマールさんを物語の起点に、芸術的パフォーマンスを展開した。
ステージが始まると、遊びに興じる子どもたちが突然、奄美の森へトリップ。山下誠士郎さん演じるアカショウビンが華麗に舞った。
島の出演者たちは、幻想的な衣装をまとい嵐や舟を動きで表現し演舞。プロ勢も、即興で個性をぶつけ合うなど、世界のアートを見せつけた。
終盤は、谷さんがソロで登場し、夏の日と雪を対比する鮮やかなパフォーマンスで会場を魅了。最後は、オールキャストで創作舞踊「ガジユータ八月踊り」を熱演。会場からは迫力ある感動のフィナーレに大きな拍手が鳴り響いた。
公演を終えた谷さんは「無事できてほっとした」と第一声。「世界規模の舞台を奄美から発信したいと取り組んできた。子どもたちには、世界に通用すると自信や希望を持ってほしい」と笑顔を見せた。