「繋がるやまぐん」事業報告会

「繋がるやまぐん“我が事・丸ごと”支え愛コミュニティビジネス創出事業」の事業報告会

地域活性化へ課題発見も
瀬戸内町 特産品開発など5事業説明

 瀬戸内町の阿木名集落を中心とした山郷=やまぐん=地区の住民が主体となり地域活性化を目指す「繋がるやまぐん“我が事・丸ごと”支え愛コミュニティビジネス創出事業」の事業報告会が、20日夜、同町阿木名の古民家改修施設「HUB a nice d!」であった。同事業で取り組む特産品開発や、地域食堂などの5事業について進捗=ちょく=を説明。参加者に意見を求め、課題発見にもつなげた。

 事業は「やまぐんまちづくり委員会」が、総務省の「過疎地域等集落ネットワーク圏形成支援事業」を利用し進めるもの。昨年6月ごろから、①地域資源の再発掘・活用検討②農業振興③コミュニティビジネス創出④地域食堂⑤グリーンツーリズムモデル形成―の5事業を、住民や関係機関、福山市立大学(広島県)都市経営学部の学生らが協働で取り組んでいる。

 この日は委員のほか、同大学の学生、行政関係者など計20人が出席。各事業報告後にはふせんに意見や感想を記入し、委員会側が回収し、課題のフィードバックにつなげる形で実施した。

 同大の学生3人は昨年から継続して実施している「空きキャパシティ調査」の結果を報告。48事例を対象に、外観や状況、周辺環境などを調査。アンケートで阿木名集落の課題や、良いところなどの住民意見もとりまとめるなどした。今後は、「回答率が低かったのでアンケートの再調査を行う予定。調査した空き家などの利活用についても考えたい」などと話した。

 阿木名街づくり委員会の碩悟事務局長は集落内の農業について、「加工品開発が若者の就農につながる」と主張。すでに開発したみそを使った総菜について紹介し、新年度以降は特産品の材料を栽培するために遊休農地を開墾する計画を話した。これに対し、町職員から「ふるさと納税の返礼品にリストアップすれば、マーケティング調査にもつながる」などの意見もあった。

 このほか、各事業について、▽タンカンの収穫体験モニターツアーの実施▽古民家改修による拠点づくりの経過と活用事例―など、各委員らが報告した。報告後、アドバイザーとして出席した㈱タウンキッチンの西山佳孝執行役員は「地域住民と活動している人がフォローしあえるような関係性を作ることが大切。どうすれば事業を継続できるのかを話し合ってほしい」と総評を述べた。